絵の住処―作品が暮らす11の部屋―

2015年5月26日(火) - 2016年1月11日(月・祝)

時間:
9:30-17:00(入館は16:30まで)
休館日:
月曜(ただし7月20日、9月21日、10月12日、11月23日、1月11日は開館)、7月21日(火)、 9月24日(木)、 10月13日(火)、 11月24日(火)、 12月23日(水)-1月1日(金)
主催:
DIC株式会社
後援:
千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会

入館料

  • 一般 1,000円
  • 学生・65歳以上 800円
  • 小中学生・高校生 600円

団体(20名以上):

  • 一般 900円
  • 学生・65歳以上 700円
  • 小中学生・高校生 500円

障がい者手帳をお持ちの方
(付き添い1名まで同料金):

  • 一般 800円
  • 学生・65歳以上 600円
  • 小中学生・高校生 400円

※各種割引適用には学生証や保険証などの身分証明書が必要です

概要

DIC川村記念美術館の展示室には、雰囲気の異なる11の部屋があります。所蔵作品にあわせ、大きさや意匠を変え設計したためです。

印象派をはじめとするヨーロッパ近代絵画の部屋は天井がアーチ型で床はカーペット敷き、居間のような親しみと雰囲気のある空間を意識してつくられました。一番小さな展示室には17世紀オランダを代表する巨匠レンブラント・ファン・レインが描いた肖像画をひとつだけ。白い壁がすっきりとしたモダンな空間には20世紀初頭の抽象絵画を配し、シュルレアリスムやダダなどの作品には床と壁面をグレーで統一した内向的な部屋を設えています。

グループで見せる部屋のみならず、一人のアーティストに捧げられた展示空間では、より作品に合わせた設計がなされています。フランク・ステラの大型作品群には、大きな壁面と広い床面積が特徴の自然光が入る板張りの大空間が用意され、さながら作家の制作スタジオで初期から近年までの作品を一気に体験するかのようです。また当館のコレクションを代表するマーク・ロスコの連作「シーグラム壁画」(7点)の部屋は、各壁面に作品を一枚ずつ展示できるよう変形七角形に設計されており、壁のコーナーをアール状にすることで、赤い作品群が壁のように空間を包む効果が企図されています。

こうしたオーダーメイドの展示空間は、作品の魅力を十分に引き出し、見る人と作品を緩やかに結び合わせる最適な場となっています。本展では各展示室を巡りながら、あらためて作品と空間のしなやかな関係に注目します。

会期中は、作品や建物にまつわるギャラリートークや講演会をシリーズで開催します。普段疑問に思っている美術館の不思議な謎が解けるかもしれません。


講演シリーズ・対談

当館の建築やコレクションにまつわるお話を、実際の業務として関わってくださった方々や、 その道に詳しい専門家にお話いただきます。

講演①

「基本構想から設立まで-美術館誕生ものがたり」
根本浩(一級建築士、建築設計「老有自」代表取締役)
6月6日(土) 14:00-15:30
13:00より館内受付で整理券配布|定員60名|入館料のみ

当館は初代館長川村勝巳の盟友であった建築家、海老原一郎が設計し、その基本構想は美術家 飯田善國の案を参考にしています。建設当時、海老原のもとで働いていた根本氏はプロジェクトの伴走者であり、2008年に実施された増改築工事の設計担当者でもあります。美術館設立の計画がどのように形をなしていったのか、同じ夢を共有した関係者たちとのエピソードを交えてお話しいただきます。
 

講演②

「サインデザインとアイデンティティについて」
色部義昭(グラフィックデザイナー、アートディレクター)
7月4日(土) 14:00-15:30
13:00より館内受付で整理券配布(事前予約ができます)|定員60名|入館料のみ

2008年の当館増改築工事にともない、サイン計画を担当した色部氏は、室内空間や順路、館内利用規定といった条件を明瞭に整頓し、既存の建築と増築部分をデザインによって滑らかに一体化しました。市原湖畔美術館のリニューアルにおいてもその仕事が高く評価されている気鋭のアートディレクターから、ご自身の手法と哲学について語っていただきます。


講演③

「DIC川村記念美術館と私」
本江邦夫(美術史、多摩美術大学教授)
8月8日(土) 14:00-15:30
13:00より館内受付で整理券配布(事前予約ができます)|定員60名|入館料のみ

近・現代美術史を専門とし、20世紀美術の分かりやすい解説で人気の本江氏に、20世紀美術の主流となる抽象芸術について、当館所蔵作品に焦点をあてながら解説いただき、これらコレクションの重要性についてお話をいただきます。


講演④

「フランク・ステラと同時代のアメリカ美術」
加治屋健司(美術史、京都市立芸術大学芸術資源研究センター准教授)
9月5日(土) 14:00-15:30
13:00より館内受付で整理券配布(事前予約ができます)|定員60名|入館料のみ

現代アメリカを代表するフランク・ステラは、1959年の劇的なデビュー以来、スタイルを変転させながら現在も精力的に創作活動を行っています。本講演では、ステラ以前の抽象表現主義や以後のミニマリズムの流れを含みながら、当館のコレクションを基軸に、ステラの重要性についてお話をいただきます。


講演⑤

「ロスコの空間」
林道郎(美術史・美術批評、上智大学教授)
10月3日(土) 14:00-15:30
13:00より館内受付で整理券配布(事前予約ができます)|定員60名|入館料のみ

アメリカ美術の巨匠マーク・ロスコにとって、「場の生成」は非常に重要な問題であった。本講演では、1枚の作品ではなく、複数のカンヴァスによって構成された最初のプロジェクト〈シーグラム壁画〉を中心に、ロスコが自らの作品に託した「場」をつくること、さらにはその意味についてご考察いただきます。


講演⑥

「コーネルとその数式」
平出隆(詩人、多摩美術大学教授)
11月28日(土) 14:00-15:30
13:00より館内受付で整理券配布|定員60名|入館料のみ

ジョゼフ・コーネルの作品は詩人を引きつけてやまない。瀧口修造をはじめ、高橋睦郎、フランク・オハラ、チャールズ・シミックなどが詩を捧げてきた。本講演では、古井由吉により「花を骨となす」(李賀)仕事と評され、大江健三郎により「詩の中から新しい散文を生み出す詩人」として推挽される平出氏に、独自の視点でコーネルの魅力を語ってもらいます。


対談

「ロスコを見る日本の感性」
赤木明登(塗師)× 原田マハ(作家)
11月3日(火・祝) 14:00-15:30
13:00より館内受付で整理券配布|定員150名|入館料のみ

著書『名前のない道』(※1)で当館のロスコ展に触れた輪島在住の塗師・赤木明登氏と、短編小説「無用の人」(※2)でロスコルームと満開の桜を望む窓のあるアパートの一室を対比させた作家・原田マハ氏。国際的に活躍するお二人に、日本の風土に生まれ育った人々が当館のロスコ展示から何を感じ、受け取ってきたのか語り合っていただきます。

※1 2012年 新潮社、初出は泰文館『住む。』に連載
※2 『あなたは、誰かの大切な人』(2014年 講談社)に収録


ギャラリートーク

当館のコレクションをさまざまな角度からご紹介するギャラリートークを開催しております。

ガイドスタッフによるガイドツアー

毎日14:00-15:00(ただし講演会、対談、下記ギャラリートーク開催日は除く)
14:00エントランスホール集合|定員60名|入館料のみ
ガイドスタッフが展覧会と作品をわかりやすく解説します。

学芸員によるギャラリートーク

前田希世子(DIC川村記念美術館学芸部)
5月26日(火)、8月29日(土)、2016年1月2日(土) いずれも14:00-15:00
14:00エントランスホール集合|定員60名|入館料のみ
本展の企画を担当した学芸員が会場で展示解説します。ぜひ、11の展示室からお気に入りの部屋を見つけてください。


ゲストによる特別ガイド

「本好きのための美術案内」
川上洋平(ブックセレクター、book pick orchestra主宰)
10月10日(土)14:00-15:30
14:00エントランスホール集合|定員60名|入館料のみ

図書館、文学館、美術館を初め、カフェや洋服店など、本を置く「場所」や本を手に取る「人」に合わせて本を選ぶブックセレクターが、当館学芸員と協力して展示作品とつながりのある本をご紹介します。作品と直接的な関連のある本だけでなく、想像や個人的体験から選ばれた本が美術と結ばれる瞬間は、人の心に触れる時間になるでしょう。


学芸員による野外彫刻ガイド

鈴木尊志(DIC川村記念美術館学芸部 担当課長)
10月24日(土) 14:00-15:00
14:00エントランスホール集合|定員60名|入館料のみ
ロダンやブランクーシなど館内に展示されている彫刻作品とともに、庭園に設置されているヘンリー・ムーアなどの野外彫刻について解説いたします。散策を兼ねてお気軽にご参加ください。


コンサート

閉館後の展示室で作品に囲まれて音楽を楽しめるミュージアムコンサート。 チケットのご提示で当日の開館時間内に「絵の住処」展をご覧いただけます。

「印象派時代の室内楽」

西江達郎(バイオリン)
木越洋(チェロ)
津野田圭(ハープ)

7月18日(土) 開場17:45、開演18:00
要予約|定員100名|一般4,500円、友の会4,000円

エントランスを抜けて最初に入る101展示室は、モネやルノワールなどの印象派をはじめとするヨーロッパ近代絵画のための部屋。邸宅の居間を思わせる空間で、絵画とともに上質なアンサンブルの室内楽をお楽しみください。


「ステラに捧げるジャズ」

纐纈歩美(アルトサックス)
佐藤浩一(ピアノ)
安田幸司(ベース)

9月26日(土) 開場18:00、開演18:15
要予約|定員200名|一般3,500円、友の会3,000円
チケット発売日 友の会7月19日(日)、一般7月24日(金)

体育館を思わせる広さの201展示室は、20世紀アメリカ美術の巨匠フランク・ステラのアトリエサイズを念頭に設計されました。初期から近作まで13点を見渡せる大空間で、その圧倒的なスケール、色彩、変幻自在なスタイルの進化を音楽で讃える一夜です。


「ロスコルームの音楽 ―静かな旅―」

ハスケル・スモール(ピアノ)

12月12日(土) 開場17:45、開演18:00
要予約|定員150名|一般4,000円、友の会3,500円
チケット発売日 友の会9月23日(水・祝)、一般10月2日(金)

弧を描く天井が特徴的な202展示室は音響効果にすぐれた演奏会向きの空間です。2014年、フィリップス・コレクションのロスコルームを主題に新曲を発表したピアニストが、静かな瞑想の旅にご案内します。
※ 1921年ワシントンD.C.に開館。米国で最も歴史のある近代美術館。