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現代日本美術

海外の美術動向と並行して、日本の現代美術家たちは独自の表現を追及してきました。それは慣習化し精彩を失った従来の芸術観を覆し、そこからあらためて芸術とは何か、さらには人間とは何かといった問題を考えていく行為でもありました。

1958年の渡米以来ニューヨークを拠点に単色の平面を構成した作品の制作を続ける桑山忠明(1932-)は、剰余を取り去った最小限の表現で、芸術のみに可能な、今までにない純粋な世界の構築をめざしています。《無題 (メタリック・カラーズ)》は、組み合わされたキャンバスにアルミの粉を混ぜたアクリル絵具が均質に吹きつけられており、芸術作品を制作する際に必然的にあらわれるはずの筆触や手業の痕跡などは消し去られています。


桑山忠明 《無題 (メタリック・カラーズ)》 1971年 アクリル、カンヴァス 305.0 x 357.0cm

韓国・慶尚南道に生まれ、日本を拠点に活動する李禹煥(1936-)は、あらかじめ想定された完成状態に向かって作品を制作するのではなく、人間と物と空間との関係自体を作品において引き出し、そこで世界と直接に関わろうとしました。《線より》は絵画を構成する最も根源的な要素である線のみによって成り立つ作品で、「一筆一筆はすべて呼吸を持った生きものの照応でなければならない」と自身で述べているように、筆と画面とが触れ合う瞬間に開かれる関係がひとつの世界認識や宇宙観へと広がっています。


李禹煥 《線より》 1983年 岩絵具、カンヴァス 218.0 x 291.0cm

若林奮(1936-2003)は、人間と自然や物質との境界にあらわれる空間や時間についての思索を、鉄を主な素材とした彫刻作品によって行いました。対象へ伸びる視線を棒状の形態であらわした《振動尺》は、眼前にある物体を知覚する際に人と物とのあいだに揺れ動く空間を測る「尺」すなわち「ものさし」として制作されています。この4点の《振動尺》はその探求の到達点として若林の代表作とされています。


若林奮
《振動尺I》 1979年 鉄 20.5 x 34.7 x 149.5cm
《振動尺II》 1979年 鉄、木 34.6 x 54.6 x 163.5cm
《振動尺III》 1979年 鉄、木 19.7 x 28.8 x 181.6cm
《振動尺IV》 1979年 鉄 18.8 x 19.7 x 186.2cm

関連収蔵作品

  • 瀧口修造《デカルコマニー》 1962年
  • 斎藤義重《作品》 1963年
  • 中西夏之《R・R・W—4ツの始まり-III》 2002年
  • 荒川修作《風景》 1967年

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