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レンブラント《広つば帽を被った男》

17世紀オランダを代表する画家レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)は、バロック的明暗法と巧みな心理描写によって、神話や聖書に基づく主題や肖像画などを手がけたことで知られています。17世紀初頭、アムステルダムはヨーロッパの国際商業の中心地として、著しい経済的発展のただ中にありました。レンブラントはここに1631年の末頃に移り住み、富裕な商人や聖職者、市政に携わる人々などアムステルダムの市民の肖像画を数多く制作します。この作品もその1枚で、モデルの男性はその服装などから、裕福な市民のひとりであったと推察されます。モデルの顔には画面左方から光が当てられ、その生き生きとした表情が陰影豊かに描き出されており、肌や髭・髪の毛、レースの襟や黒い衣裳など、質感をリアルに再現した細部の描写も見事です。

この肖像画は当初、モデルとなった男性の妻の肖像と一対であったことが分かっています。肖像画を注文した夫婦の家で並べて飾られていたはずの2枚の絵は、おそらくはモデルの子孫が財産を継承していく過程で別々になってしまったのでしょう。妻の肖像は現在、アメリカのクリーヴランド美術館に所蔵されています(《婦人の肖像(Portrait of a Lady)》、1635年)。《広つば帽を被った男》はMOA美術館にある《自画像》、ブリヂストン美術館の《聖書あるいは物語に取材した夜の情景》と並び、日本のパブリック・コレクションに所蔵されている数少ないレンブラントの油彩画のひとつです。

当館では19世紀以降の西洋近代絵画とは異なる時代の手法・趣きを来館者に感じてもらうため、この《広つば帽を被った男》を他の作品と並べず、独立した一角に展示しています。


レンブラント・ファン・レイン 《広つば帽を被った男》 1635年 油彩、カンヴァス 76.0 x 63.5cm(楕円形)

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