
HOME > 美術館 > 展覧会 > 過去の展覧会 > マティスとボナール ―地中海の光の中へ―
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アンリ・マティス 《仰向けに横たわる裸婦》 1946年頃
ニース、マティス美術館
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ピエール・ボナール 《テーブルの片隅》 1935年
パリ、ポンピドゥーセンター・国立近代美術館
本展覧会は終了しました。
本内容は展覧会開催期間中の情報で、現在開催中の展覧会情報とは異なりますので、ご注意ください。
本展は、20世紀の巨匠と呼ばれ現代の美術にまで大きな影響を与えているふたりの画家、アンリ・マティス(1869-1954)とピエール・ボナール(1867-1947)を取り上げ、彼らの歩んだ軌跡と、色彩の輝きに溢れる絵画世界を紹介するものです。
19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパでは様々な新しい美術の潮流が生まれ、ふたりの画家はその中で頭角を顕しました。やがて彼らは自らの芸術を確立してゆくのと並行して、制作の場を南仏に求めます。マティスはニース、ヴァンスに長期滞在し、ボナールはカンヌ近郊のル・カネに居を定めました。地中海の眩い光の中で、彼らの色彩は生命の輝きを帯び、ふたりの絵画は深化と成熟を遂げてゆきます。
マティスとボナールは生涯にわたる友情を築きました。ふたりは書簡によって絵画についての意見を交わし、家族や友人の動静や身近な出来事、第二次世界大戦による不穏な状況や病気などの苦難を伝え合います。妻を亡くし悲嘆にくれるボナールに、マティスは「君がなるべく早く仕事に戻れるように願っている。それが苦痛を和らげてくれるだろうから」と手紙を書きます。ふたりの画家を結ぶ絆、それは絵画への信頼を共有することに他なりませんでした。
本展ではマティス、ボナールの遺族から貴重な作品をご提供いただくほか、ニースとル・カトー・カンブレジのふたつのマティス美術館、ポンピドゥー・センターなど国内外の美術館と個人所蔵家のご協力を得て、総計約120点の作品を展示いたします。また、マティス、ボナールそれぞれの制作風景をロバート・キャパやアンリ・カルティエ=ブレッソンらが撮影した記録写真やボナールの撮影した写真など画家たちの思考や内面、日常生活を反映した作品資料も展示されるほか、展覧会カタログにはふたりの交わした書簡の日本語訳が掲載されます。
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アンリ・マティス 《ヴェールをかぶった女》 1942年
メナード美術館
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アンリ・マティス 《緑の大理石のテーブル上の静物》 1941年
パリ、ポンピドゥーセンター・国立近代美術館
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ピエール・ボナール 《浴槽の裸婦》 1924年
個人蔵
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ピエール・ボナール 《陽の当たるテラス》 1939-46年
個人蔵
All works of Henri Matisse ©2007 Succession H. Matisse, Paris / SPDA, Tokyo
All works of Pierre Bornnard ©ADAGP, Paris & SPDA, Tokyo, 2007
マティスとボナールは共に色彩の魔術師と称され、人生の幸福を輝く色彩で描いた画家として愛されていますが、彼らの絵画は決して単純なものではありませんでした。キュビスム、シュルレアリスム、ダダイスム、そして抽象表現主義とめまぐるしいまでの美術の革新が行われた時代の中で、ふたりの画家が探求したのはただひとつ、「絵画とは何か」という問いでした。光、色彩、形態、空間。マティスとボナールの絵画が後世の芸術家に大きな影響を与え、今日の我々を魅了するのは、彼らの眼差しが絵画の根源に向けられているからに他なりません。
「最後の印象派」と呼ばれるボナールと、「最初の現代芸術家」と呼ばれるマティス。美術史の流れにおいては異なる位置づけをされるふたりの画家が共有していた、絵画に対するヴィジョンを探る今回の展覧会は、当館のコレクションの重要なパートである印象派からエコール・ド・パリに至るフランス近代美術と、抽象表現主義を中心とした戦後アメリカ美術のふたつの流れをつなぐ役割を果たしてくれることでしょう。
リニューアル工事を終えて、本展の皮切りと同時に公開される「ロスコ・ルーム」と「ニューマン・ルーム」は、この春からDIC川村記念美術館に加わった新しい常設展示室です。20世紀のアメリカで、ほぼ同じ年代を生きた二人の画家の代表作。それぞれの作品の特長を生かすよう設計された空間で、作品の力を深く感じていただければ幸いです。
| 日時 | 講演者 | タイトル |
|---|---|---|
| 4月5日(土) 14:00-16:00 |
島田紀夫 氏 (ブリヂストン美術館館長/美術史家) |
「ボナールのパリと地中海」 |
| 4月19日(土) 14:00-16:00 |
田中正之 氏 (武蔵野美術大学准教授) |
「アンリ・マティスと20世紀アメリカ美術」 |
| 5月10日(土) 14:00-16:00 |
八重樫春樹 氏 (DIC川村記念美術館顧問/美術史家) |
「マティスとボナールを巡る芸術的環境、人間的環境」 |
展示作品の解説をイヤホン機器でお聞きになれます。
このほか毎日午後2時より、当館ガイドスタッフによる無料のコレクション解説があります。
ただし、講演会の開催日(4/5、4/19、5/10)は中止させていただきます。