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過去の展覧会

モーリス・ルイス 秘密の色層

《金色と緑色》 1958年
東京都現代美術館 ©1958 Morris Louis

会期
9月13日(土)―11月30日(日)
開館時間
9:30-17:00 (入館は16:30まで)
休館日
月曜日(祝日の場合は開館)
および 9/16、10/14、11/4、11/25
主催
川村記念美術館(DIC株式会社)
後援
千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、
佐倉市教育委員会
協力
佐倉市・開国150周年記念事業、
ターナー色彩株式会社
Golden Artist Colors, Inc.
特別協力
日本航空

本展覧会は終了しました。
本内容は展覧会開催期間中の情報で、現在開催中の展覧会情報とは異なりますので、ご注意ください。

モーリス・ルイスは、1912年にアメリカの首都ワシントンD.C.に程近い港町ボルチモアに生まれました。地元の美術学校を卒業後、一時はニューヨークで活動しましたが、31歳で地元に戻ってからは、主にワシントンD.C.を制作の拠点としてきました。絵画講師のかたわら、自宅の小さなダイニングルームをアトリエとし、妻が仕事で外出している時間を、ひとり黙々と絵画制作に費やしたのです。

物静かで内向的、しかし創作に対する熱意を人一倍秘めていたルイスは、ポロックやロスコら同時代の画家が活躍するニューヨークとはあえて距離を置き、淡々と独自のスタイルを摸索しました。そんなルイスが、その後の美術の流れを変えることとなる画期的な作品を描き始めたのは1954年、41歳の時でした。それらは人の背丈をはるかに超える大きなカンヴァスに、薄めた絵具を幾層にも流し重ねた抽象画でした。まるで美しい染物のように、絵具がカンヴァスに染み込んで一体化し、完全に平面的な画面が生まれたのです。その後、画家は1962年に亡くなるまで染みの形や色の配列を違え、この手法を探求し続けました。

本展は、ルイスが遺した作品のうち、三つの主要なスタイル〈ヴェール〉〈アンファールド〉〈ストライプ〉を中心に15点前後が会する、日本では20年振りのルイス展です。

三つの主要スタイル

現存するルイス作品は600点以上、そのほとんどが幅3メートルを超える大作です。ちなみに、作家が破棄した作品も同数ほどといわれています。現存する作品群は以下3つのスタイルに大別することができます。

1. 〈ヴェール〉

1954年、そして1958-59年に制作され、幾層にも流し重ねられた絵具の層が画面全体を覆い、透明感のある画面が特徴。1954年には16点、1958-59年には約120点が制作されています。

《ギメル》 1958年
DIC川村記念美術館 ©1958 Morris Louis

《ヌン》 1959年
国立国際美術館 ©1959 Morris Louis

《アンビⅡ》 1959年
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
©1959 Morris Louis

2. 〈アンファールド〉

カンヴァスの両端から中央にむけて、鮮やかな色彩の絵具が流れ、中央に白い余白を残した作品。1960-61年に制作され、120-150点が現存します。

《デルタ・ミュー》 1960-61年
愛知県美術館 ©1993 Marcella Louis Brenner

3. 〈ストライプ〉

1961-62年に制作された最後のシリーズ。細長いカンヴァスに、いくつもの鮮やかな色の帯を束状に垂直方向に流し、緊張感を孕んだ画面構成が特徴。230点が現存します。

《アセンディング》 1962年
アートスペース シモダ ©1962 Morris Louis

制作現場の秘密

ルイスは、自分のアトリエに他人を招き入れず、制作中は妻ですら入室を禁じていました。また、制作方法を記録したり、友人に話したりすることがなかったため、彼がどのように絵を描いたのか正確にはわかっていません。そのため、制作方法について専門家の間で様々な議論が飛び交っています。例えば、「ルイスのアトリエは4.3×3.7mの大きさにもかかわらず、どのように横幅5m以上の作品を描き得たのか?」「薄めた絵具をどうやって端から端まで均等な濃度を保ってカンヴァスに定着させたのか?」といった疑問は、いまだ解決されていません。

色彩の秘密

1954年、ルイスは「マグナ」というアクリル絵具に出会いました。この絵具は、開発当初にポロックやニューマン、ラインハートなど当時アメリカで活躍していた画家たちに配られましたが、油絵具の扱いに慣れていた彼らは、サラサラとした質感のアクリル絵具は使いづらいと判断し、メーカーに改良を求めました。一方、ルイスはその粘性の低さを大変気に入り、以来、マグナ以外の絵具を一切使用しませんでした。1960年には、ルイスの希望により、薄めても鮮やかに発色するマグナ絵具がオーダーメイドで作られ、この色材がルイス作品の特徴に大きく寄与しました。

タイトルの秘密

1962年9月、ルイスが肺癌で亡くなったときに、自宅からは木枠に張られていない400点以上ものカンヴァス作品がロール状で見つかりました。いずれも、サインや日付、タイトルの書き込みはなく、木枠に張り込むための印もないため、正確な寸法さえはっきりしません。また、いくつかの作品については絵柄の上下も不明のままです。

ルイスの死後、作品が展覧会に出品されたり、転売されたりするようになると、こうした不明点が問題となりました。そこで、ルイス財団は、当時アメリカで最も影響力のあった美術批評家クレメント・グリーンバーグに作品目録の制作を依頼します。グリーンバーグは交友関係の少なかったルイスが生前に心を許した貴重な友人でもありました。

目録制作にあたり、作品には財団番号と「M Louis」の書き込みが未亡人によって付され、タイトルと制作年も記録されました。〈ヴェール〉絵画にはヘブライ語の、〈アンファールド〉絵画にはギリシア語のアルファベットがタイトルに採用されています。謎めいた響きを持つ魅力的なタイトル群は、いずれも日本語でいえば「い・ろ・は・に・ほ・へ・と」を順にあてがったようなもので、特に意味はありません。また、ほとんどの〈ストライプ〉絵画には、財団番号がそのままタイトルに使われています。

講演会

日時 講演者 内容
9月28日(日)
14:00-
トム・ラーナー博士
(ゲッティ修復研究所シニア・サイエンティスト)
アクリル絵具「マグナ」の開発とルイス絵画の展開および制作の秘密に迫ります。
10月12日(日)
14:00-
ドリー・アシュトン氏
(クーパー・ユニオン美術学部教授、美術史家)
川村コレクションの抽象表現主義作家とルイスについてお話いただきます。
  • 参加費=入館料のみ
  • 当日9:30から館内受付で希望者先着60名に入場券配布
  • 予定変更あるいはキャンセルの可能性があります

学芸員によるギャラリートーク

日時 講演者 内容
9月13日(土)、11月9日(日)
各日14:00-
前田希世子
(DIC川村記念美術館学芸員)
本展を企画した担当学芸員が、出品作品の解説をします。
  • 参加費=入館料のみ
  • 予約不要、14:00エントランスホール集合

定時ガイドツアー

9/13, 9/28, 10/12, 11/9を除く毎日 14:00~15:00
当館ガイドスタッフが川村コレクションと本展の作品解説をします。

  • 参加費=入館料のみ
  • 予約不要、14:00エントランスホール集合

音声ガイド機器の貸し出し

上記ガイドツアーの時間帯以外にお越しいただくお客様や、ご自分のペースで鑑賞しながら解説をお聞きになりたいお客様のためにご用意しました。

  • 貸出料=1台 500円
一般
1300円
学生・65歳以上
1000円
小中学生・高校生
500円

[20名以上の団体(下記料金は1名分)]

一般
1100円
学生・65歳以上
800円
小中学生・高校生
400円

[障がい者手帳をお持ちの方(+付き添い1名まで)]

一般
1000円
学生・65歳以上
700円
小中学生・高校生
300円
  • ※学生と65歳以上の割引適用には学生証や保険証などの身分証明書が必要です。
  • 美術教育サポートプログラムもご活用ください。(1クラス 3500円)

限定500部、1800円

美術を学ぶ大学・専門学校生を対象に、ルイス展とロスコ展の学生券をセットにし、通常の学割価格(2200円)から更に400円割引して販売いたします。カタログ割引もついて、お得です。
ルイス展会期中、当館チケット売り場にてお求めになれます。購入の際は学生証をご提示ください。

[セット内容]
「モーリス・ルイス展」学生券(通常1000円)
「マーク・ロスコ展」学生券(2009年2/21―6/7開催、通常1200円)
上記各展のカタログ100円割引券
  • 贅沢でソウルフルな空間でした。(男性・20代)
  • 色の重なり具合が不思議…めまいを起こしそうになった。(女性・30代)
  • ポスター、インターネットなどで見たのと実物は大ちがい。
    渋さが魅力でした。来てよかったです。(男性・65歳以上)
  • あまり見ることのできない企画だったので大変に良かった。
    マグナ絵具やアトリエの大きさの再現なども良かった。(男性・40代)
  • 新鮮な驚きでした。絵画の可能性に高揚感を覚えました。(女性・60代)
  • 初めて見ましたが、すごく良かったです。
    最初はみんな同じ絵にしか見えませんでしたが、よく見ると色はちがうし、
    水彩みたいにぼやけていたところがすごくよかったです。(女性・10代)
  • 不思議なかんじがした。異世界のような…。(女性・20代)
  • 最高でした!(女性・30代)
  • バランス良く、大きな作品も違和感なく展示されていてgood!
    欲を言えば20-30作品一度に観賞したかった。(男性・40代)
  • 正直、全く興味がなかった作家でしたが、実物を見て、大変興味深く面白かった。(女性・30代)
  • アトリエ(のサイズ)を再現するなど、趣向がこらされ面白かったです。(男性・30代)
  • 水彩画のような色彩を出しつつ複雑な構成を実現している様子がとても印象に残りました。
    絵具の開発の様子にまで思いをはせることができ、大変満足しています。(男性・30代)

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