
HOME > 美術館 > 展覧会 > 過去の展覧会 > 静寂と色彩 : 月光のアンフラマンス
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吉川静子 《 m465 宇宙の織りもの ― 流れるように 11 》 1995年
テンペラ、アクリル、カンヴァス 直径196cm
作家蔵 ©ProLitteris, Zurich 2009
Photo: Werner Erne, Zürich
本展覧会は終了しました。
本内容は展覧会開催期間中の情報で、現在開催中の展覧会情報とは異なりますので、ご注意ください。
本展は、20世紀以降の美術に甚大な影響を与えたフランスの美術家、マルセル・デュシャン(1887~1968)が考案した「アンフラマンス」(Inframince:直訳は「極薄」「超薄」)という造語から発想したものです。デュシャンはある状態が異なる状態へ移行するときに生まれる微妙な境界域をこう名づけ、そこに芸術の源泉を見出したのではないかと推察されています。
たとえば、デュシャンは人が席を立ったあとに残る温もりをアンフラマンスだとしています。誰かが「いる」状態から、その痕跡が完全に消えた「不在」の状態へ移行する間には、その人の微かな体温のみが存在する境界域があるからです。これにならえば、夜が明けてなお早朝の空に消え残る月もまた、アンフラマンスと言えるでしょう。
本展では、月光(≒アンフラマンス)に類縁する精神性を感じさせる中世から現代までの美術作品を二部構成でご紹介します。第一部は中世以降の仏画、円山応挙などの日本美術、あるいはターナーらによるイギリスの風景画の中に、それぞれの時代の自然観にもとづいた崇高な美と精神的な次元への移行を探ります。第二部では、自然学的とも言うべき独自の方法論によって創造され、深い精神性を見せる現代美術の作品の魅力に迫ります。
時代と文化の異なる作品それぞれの色彩が静かに響き合う展示空間で、未来の芸術の行方に想いをはせていただければ幸いです。
スイスのブリットナウ(Brittnau)という小村に生まれたエンマ・クンツは自然の法則を感知する直観に長け、近代医学が見放した患者をダウジング(振り子を使って水脈や鉱脈など目の前にないものを探す技法)と自然薬投与で治療することができました。
クンツにはヒーラー、薬草や鉱物の研究者のほかに芸術家という側面があり、ドローイングが400点余りも残されています。それら約1m × 1m の方眼紙に色鉛筆やクレヨンで描かれた幾何学図形は、霊的直観と数学的世界が矛盾なく溶け合うように見える不思議な絵画です。
クンツはただ、この世界を知り、宇宙の法則を記すために描きました。正規の美術教育を受けた経験はなく、他人からの報酬や賞賛を求めず、自身の純粋な作画衝動から描いたという点で、彼女をアウトサイダーアートの作家とも呼べるでしょう。常識を超えた次元の創造力を見事に開花させたクンツの作品は、1970年代以降、欧米の美術館でたびたび紹介されています。
本展では、スイスのエンマ・クンツ・センターの協力により、ドローイング19点(うち、複写版2点)を日本で初めてご紹介します。
アトリエで制作する40代のクンツ。
「私の絵は21世紀に向けられています」と語っていた。

エンマ・クンツ 《 Work No.505 》 制作年不詳
クレヨン、オイルクレヨン、方眼紙 109×104㎝
エンマ・クンツ・センター所蔵

エンマ・クンツ 《 Work No.019 》 制作年不詳
クレヨン、オイルクレヨン、方眼紙 109×104㎝
エンマ・クンツ・センター所蔵

人目を引く美貌に恵まれながらも、その特異な存在ゆえに孤独だったクンツ。自宅の玄関には護身用に持ち主のいない男物の上着と帽子が掛けられていた。

クンツが使用した
ダウジング用の振り子。
作画の際にも使われた。

クンツの振り子と言葉で周囲に小さな「娘花」を咲かせたマリーゴールド。

一見、空気の抜けた大きなビニール製のボールにも見えますが、これらはヴェネチアの職人が吹いたガラス球を、まだ熱いうちにアーティストの増田洋美が形を歪めて制作したガラスの球です。庭園に置かれた50個ものガラス球たちがシャボン玉のように日光を反射して楽しく遊んでいる様子をご覧いただけます。
増田洋美 《 PLAY THE GLASS 》
ヴェネチアン・ガラス
作家蔵
※写真は旧作。本展には2009年制作の作品が展示されます。
荘厳な仏画、日本情緒あふれる木版画、19世紀イギリスの銅版画、日本各地で採取された色とりどりの土、数学的パターンが生み出すCG映像まで、ジャンルを超えて選び出された120点以上の作品たちが、密やかで強力な精神の次元に私たちを連れて行ってくれることでしょう。
また、最も出品点数の多い現代作品のなかには、デュッセルドルフ在住でリヒターに師事した渡辺えつこ、チューリッヒ・コンクレート派の作家としてスイスを中心に活躍し、パブリックアートも数多く手がけている吉川静子ら、国外に軸足を置いているために日本では知られる機会の少なかったアーティストたちの作品も含まれています。鑑賞者の皆様にとって、本展は未知の知性と感性に出会う場ともなるでしょう。
<出品作家> 順不同
円山応挙/橋本平八/川瀬巴水/J.M.ウィリアム・ターナー(イギリス)/ジョン・コンスタブル(イギリス)/ジョン・マーティン(イギリス)/マルセル・デュシャン(フランス)/小野田賢三/黒田寛/松本陽子/ホセ・マリア・シシリア(スペイン)/エンマ・クンツ(スイス)/渡辺えつこ(在ドイツ)/伴美里/小池隆英/栗田宏一/中西夏之/キム・テクサン(韓国)/吉川静子(在スイス)/リチャード・タトル(アメリカ)/渡邉修/増田洋美

筆者不祥 《 当麻曼荼羅図 》 ※展示期間:10/10-11/1
鎌倉時代末-南北朝時代
絹本着色 101.4 x 88.8cm 出光美術館

エンマ・クンツ
《 Work No.356 》
制作年不詳
鉛筆、クレヨン、方眼紙 105x102cm エンマ・クンツ・センター
Emma Kunz Centre, CH-5436 Würenlos © Anton C. Meier

ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー
《 カレー沖の釣船(ドーバー海峡) 》
1830年 メゾチント 47.0 x 64.0cm 郡山市立美術館

橋本平八
《 馬 》 1930(昭和5)年
木 高さ26.9cm 東京藝術大学大学美術館

川瀬巴水
《「旅みやげ第一集」より 金沢ながれのくるわ 》
1920(大正9)年 木版多色摺 36.3 x 24.1cm
千葉市美術館 ※展示期間:12/1-1/11


中西夏之 《 ステンシル・ドローイング 》
1995年 木炭、墨、紙 個人蔵
(『マルセル・デュシャン全著作』 編者:ミッシェル・サヌイエ
翻訳:北山研二 装幀:中西夏之 出版社: 未知谷 刊行年:1995年)

ホセ・マリア・シシリア
《 日蝕 》 2008年
油彩、蜜鑞、板 185 x 155 x 5cm
作家蔵 (courtesy of Tamada Project)

小池隆英
《 Eye Wall 》 2009年
アクリル、カンヴァス 173 x 196cm
作家蔵

渡辺えつこ
《 hubble 14 》
2009年 油彩、カンヴァス 50 x 35.5cm
作家蔵 Photo:神保照史

伴美里
《 Le Rêve 》 2005年
油彩、リネン 62.5 x 50.5cm
作家蔵

栗田宏一
《 moon_water_soil_sun 》 2009年
日本各地の土、ガラスシャーレ 270 × 270 × 10cm
作家蔵

キム・テクサン
《 レインボー・シャドウ 》 2009年
水、アクリル、カンヴァス 88 x 85cm
作家蔵
リストをダウンロード(PDF:138KB)
※下記の作品は展示期間が限られておりますので、どうぞご了承ください。
| 作品 | 展示期間 |
|---|---|
| 筆者不詳《当麻曼荼羅図》 筆者不詳《地蔵菩薩独尊来迎図》 筆者不詳《十一面観音菩薩図》 円山応挙《秋月雪峡図》 川瀬巴水作品 |
10月10日(土)-11月 1日(日) 11月 3日(火)-11月29日(日) 12月 1日(火)-2010年1月11日(月・祝) 10月10日(土)-11月29日(日) 12月 1日(火)-2010年1月11日(月・祝) |
本展に映像作品を2点出品中の小野田氏が、館内で音にまつわるパフォーマンスを行います。
リスナーは同じく本展出品作家の伴美里氏。彼女だけに聞こえてくる音とは?
耳を澄ませ、音を想うとき、会場に不思議な一体感が生まれます。
日 時 : 12月20日(日)13:00-13:30
場 所 : 当館エントランスホール
聞き手 : 伴美里氏
予約不要、料金は入館料のみ必要です。
また、続く14:00-15:30に担当学芸員によるギャラリートークがあります。
| 日時 | 講演者 |
|---|---|
| 10月10日(土) 10月25日(日) 11月 8日(日) 11月22日(日) 12月20日(日) 14:00-15:00 |
鈴木尊志 (当館学芸員) |
10/10、10/25、11/8、11/22、12/20を除く毎日14:00-15:00
ヨーロッパの街角で毎年11月から12月にかけて開かれるクリスマス市の雰囲気をお届けします。
ドイツの伝統的なクリスマス装飾を展示し、プレゼントにぴったりなクリスマス・グッズやシュトレン、焼き菓子などを販売します。ドイツやイタリアの屋台風メニューでおなかも心も温まる、小さな市場をお楽しみください。
12月13日(日)13:20- 四街道少年少女合唱団
12月23日(水・祝)13:20- 佐倉ジュニア合唱団
・演奏時間は約30分を予定しています。
・場所は美術館の建物の前です。
・雨天の場合は残念ですが中止とさせていただきます。
「クリッペ」はキリスト生誕の場面を表す木彫りの人形セット。ミュンヘンの南、ホーエンフルヒのデュール家が営む工房から取り寄せたクリッペのやさしい表情は、聖なる夜をおごそかに物語ります。
「クリスマスピラミッド」は高さ135cmの木製タワーです。深いドイツの森で働く木こりや動物たちの人形が、ほのかな灯りに照らされて、ゆるやかに回転します。
ブラートヴルスト(自家製パンにはさんだ焼きソーセージ)、クヌーデル(肉団子入りスープ)、タンプヘン(甘い丸パンのバニラクリーム添え)、キアッケレ(北イタリアの揚げ菓子)、ノンアルコールのグリューワイン(スパイス入りホットワイン)、ホットチョコレートなど
白い粉糖に包まれていることから産衣にくるまれた幼児イエスを象徴するシュトレンはじっくり漬け込んだドライフルーツと香辛料を効かせたイースト菓子です。中に入っている陶製のお人形が当たった人には翌年幸運が訪れるという言い伝えがあります。
12月12日と19日には松戸の人気パン屋さん「Zopf(ツォップ)」からおいしいパン
が届きます。
熟練職人の技による木のおもちゃ、手彩色の木製ベルや錫のオーナメント、絵本、CD、カード、お香、蜜蝋キャンドル、ロザリオなどロマンティックな贈り物がいっぱいです。
ドイツの家庭ではクリスマスの約1カ月前から「アドヴェンツカレンダー」という仕掛けつきの暦を飾る習慣があり、日付のついた窓を毎朝ひとつずつ開けては、中のイラストを見て楽しみ、そこに置かれたキャンディなど小さなプレゼントをもらって聖夜を待ちわびます。
当館のクリスマス市では、会期中毎日くじ引きを行い、ご当選者にアドヴェンツカレンダーをめくっていただきます。ふるってご参加ください。
会期中、レストランではクリスマスのコース料理をご用意いたします。
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12/12(土)、12/13(日)、12/19(土)は石窯ピザ屋台「ピザフォルノ」さんが出店します。
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