美術館

HOME > 美術館 > 展覧会 > 過去の展覧会

過去の展覧会

コレクション ♡ リコレクション VOL. 3
山口長男
コレクションは語る

レンブラント・ファン・レイン
《広つば帽を被った男》
1635年 油彩、カンヴァス(板から移行)
76.0×63.5cm(楕円形)

会期
2014年1月2日(木)- 6月29日(日)
開館時間
午前9時30分-午後5時
(入館は午後4時30分まで)
休館日
月曜 (ただし1/13, 5/5は開館)、1/14(火), 5/7(水)

※2月15日(土) DIC創業記念日、5月18日(日) 国際博物館の日は入館無料
※5月5日(月・祝)こどもの日は高校生以下入館無料

主催
DIC株式会社
後援
千葉県/千葉県教育委員会/佐倉市/佐倉市教育委員会

本展覧会は終了しました。
本内容は展覧会開催期間中の情報で、現在開催中の展覧会情報とは異なりますので、ご注意ください。

当館の幅広い収蔵品を紹介するシリーズ企画「コレクション・リコレクション」の第3弾では「山口長男」と「コレクションは語る」の2つの展覧会を同時に開催いたします。
「山口長男」では日本の近現代絵画に大きな足跡を残した山口長男(1902-1983)の油彩画8点に加え、水彩や絵付け陶器も交えながら彼の芸術を多角的にご紹介します。
また、4つのセクションから構成される「コレクションは語る」では、画面に描かれた文字や単語、画家やモデルにまつわるエピソードなどに注目します。作品をめぐる数々の言葉によって紡ぎ出される新しい物語をお楽しみください。

202展示室では、日本の近・現代絵画に偉大な足跡を残した山口長男[1902 (明治35)年-1983(昭和58)年]の作品を展観します。現在の韓国ソウル市(本籍は鹿児島) に生まれた山口は、東京美術学校を卒業し渡仏、佐伯祐三や荻須高徳らと行動をともにした後、ソウルで制作しながら二科会内部の前衛的グループ「九室会」に参加します。戦後帰国後は、黒や茶、黄土色を独自の形態に塗り込めた作品により内外の高い評価を得ています。その作品は、抽象的でありながらも、具体的なものや眼前の対象の観察や接触の積み重ねから制作されており、欧米の抽象絵画とは異なった深い魅力をたたえています。本展示では、1930年代の初期作品から1960-70年代の代表的な作品に至る油彩8点に加え、水彩や絵付け陶器によって山口長男の芸術を多角的に紹介します。

《捲》 1965年 油彩、合板 180.0×180.0cm

《軌》 1968年 油彩、合板 90.7×90.7cm

《庭》 1937年 油彩、カンヴァス  65.0×90.8cm

《作品》 1970年
水彩、紙 54.0×38.0cm

《作品》 制作年不詳
水彩、紙 54.0×38.0cm

《作品》 制作年不詳
水彩、紙 54.0×38.0cm

《皿絵付》 制作年不詳 Φ36.5cm

《皿絵付》 制作年不詳 34.0×35.0cm

山口長男 | 略年譜

1902 ( 明治35 ) 年   11月23日現在の韓国ソウル市に実業家山口太平衛の長男として生まれる
(本籍は鹿児島県)。
1922 ( 大正11 ) 年 20歳 東京美術学校西洋画科に入学。
1927 ( 昭和2 )  年 25歳 東京美術学校卒業。猪熊弦一郎、牛島憲之、岡田謙三、荻須高徳、
小磯良平などが同級。荻須とともに渡仏し、佐伯祐三らとパリで制作する。
1928 ( 昭和3 )  年 26歳 佐伯の病状が悪化、看病しながら制作を続けるが、8月に佐伯は没する。
彫刻家オシップ・ザッキンと知り合い、以後アトリエに通う。
1931 ( 昭和6 )  年 29歳 ソウルに帰る。'40年まで当地から二科展に出品。
1938 ( 昭和13 ) 年 36歳 東郷青児、藤田嗣治を顧問として吉原治良、桂ユキ子、山本敬輔らと
二科会内に前衛的グループ「九室会」を結成。
1946 ( 昭和21 ) 年 44歳 日本に帰国(東京都芝車町、高井戸に居住の後'53年小平に転居)
1954 ( 昭和29 ) 年 52歳 武蔵野美術大学教授となる(~'74年。'82年学園長就任)
1955 ( 昭和30 ) 年 53歳 サンパウロ・ビエンナーレに出品。
1956 ( 昭和31 ) 年 54歳 ヴェネチア・ビエンナーレに出品。
1960 ( 昭和35 ) 年 58歳 この頃より毎年のように霧島焼窯元で陶器の絵付けを行う。
1963 ( 昭和38 ) 年 61歳 サンパウロ・ビエンナーレに出品。
1972 ( 昭和47 ) 年 70歳 南画廊で個展開催(日本橋DICビルへ画廊移転第1回展。
南画廊では '61、'65、'68、'75年にも個展開催)。
1980 ( 昭和55 ) 年 78歳 「山口長男・堀内正和展」(東京国立近代美術館)、
「山口長男展」(北九州市立美術館) 開催。
1983 ( 昭和58 ) 年 80歳 4月27日小平市で逝去。

展覧会のちらし、収蔵品のカタログ、ギャラリートークや音声ガイド、そして作品の脇に添えられたキャプション。美術館にはさまざまな言葉があふれています。言葉によって作品と鑑賞者をつなぐことは、美術館の持つ大きな役割のひとつだと言えるでしょう。そして作品と向かい合う時、私たちは美術館が差し出す言葉を超えて、より自由に考え、感じたことを言葉にして誰かに伝えたり、書き綴ったりします。作品と鑑賞者の間に言葉が生まれる場として、美術館は多様な可能性を秘めているのではないでしょうか。この展覧会では、コレクション作品と文字・言葉・テクストの関係に着目し、「ことば」という鍵を手がかりとして豊かなイメージの扉を開きます。作品をめぐる数々の言葉によって紡ぎ出される新しい物語をお楽しみください。

第1章 ことばが見える

当館のあるスタッフは、ブリジット・ライリーの《朝の歌》を見ると「春はあけぼの」で始まる『枕草子』の一節を思い出すそうです。ある時、ライリーの作品を見ていると、周りにあるフランク・ステラやサム・フランシスの作品が次々に清少納言のテクストに共鳴し、展示室が四季の風景に見えてきたといいます。
最初の展示室では、これら5点の抽象絵画をとりあげ、『枕草子』の一節と並置します。皆さんはこの取り合わせに共感するでしょうか、それとも別の言葉、別の風景を思い浮かべるでしょうか。作品の意味や作家の意図を離れ、ひとりひとりの鑑賞者と作品を結びつける「ことば」について考えます。

ブリジット・ライリー 《朝の歌》 1975年
アクリル、カンヴァス 211.0×272.0cm
© Bridget Riley 1975

フランク・ステラ 《タンパ》 1963年
防錆塗料(鉛丹)、カンヴァス 252.4×252.4cm
© Frank Stella / ARS, New York /
JASPAR, Tokyo, 2013 E0782

Intermission

このセクションでは、作品に添えられたキャプションに注目します。DIC川村記念美術館で以前使っていたキャプションと現在のキャプションを並べ、タイトルや画家の名前の表記が変更された理由を作品とともにご紹介します。

第2章 言葉とイメージ

絵画の中には、画面にアルファベットや数字、記号が描かれたものがあります。パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックは、キュビスム時代の作品にしばしば「新聞紙(JOURNAL)」という単語を忍び込ませました。飯田善國は特定の色彩とアルファベットを対応させ、英語と日本語の間に生じる音と意味の差異を視覚化しています。第2章では、それぞれの作家が用いた手法の違いに注目しながら、描かれた文字や記号に投影されたメッセージを読み解きます。

ジョルジュ・ブラック 《マンドリン》 1912年
油彩、カンヴァス 24.3×35.0cm (楕円形)
© ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2013 E0782

飯田 善國 《HOPE-KIBO》 1973年
アクリル、カンヴァス 125.0×125.0cm

第3章 美術館の国のアリス

ジョゼフ・コーネルのコラージュ作品の少女が「アリス」に、アン・アーノルドの猫の立体作品が「チェシャ猫」に……。コレクション作品がルイス・キャロルの名作『不思議の国のアリス』の登場人物になりすまし、ひとつの物語を展開します。原作に沿って始まったストーリーは、いつしか「美術館の国」の物語にすり替わり、「ハートの女王」はアリスに難問を突きつけます。果たしてアリスは「美術館の国」を脱出することができるのでしょうか。

アリス「あなたはチェシャ猫さんでしょう。だけどなんだか変。チェシャ猫はにやにや笑っているはずなのに」チェシャ猫「だって、ここは君が行ったことのある不思議の国じゃなくて、美術館の国だもの」

アン・アーノルド 《ラム・タム》 1969年
アクリル、カンヴァス、木 59.5×102.0×72.0cm DR

山口勝弘 《マッシュルーム》 1963年
麻布、鉄 151.0×152.5×60.0cm

第4章 語り出すコレクション

最後のセクションでは、さまざまなテクストを取りあげます。藤田嗣治の妻だったユキ・デスノス、写真家ブラッサイ、リチャード・ハミルトンらのエッセイからは、出品作品に直接言及されたくだりを選びました。このほか、瀧口修造がジョゼル・コーネルの箱作品に捧げた詩など、作品のイメージや制作の背景に触れるテクストとともにコレクション作品を紹介します。

※展示に使用するテクストは当館サイトの出品作品リスト(PDF)末尾に記載しています。

その頃、フジタはアンナ・ド・ノアイユ伯爵夫人の肖像画を制作しました。初めてポーズしに来た時、彼女は金糸で織った部屋着のようなものをまとい、たいそう長い真珠のネックレスと、ばら色の繻子の靴を身につけていました。彼女は仕事のしやすいモデルではありませんでした。ひっきりなしにしゃべり、動いていたのです」(ユキ・デスノス)

ジョゼフ・コーネル
《無題(アンドレ・ブルトン)》 1966年頃
写真、切手、複製画、コイン、木片、塗料、
鉛筆、メゾナイト(硬質繊維板) 30.4×22.7cm
© The Joseph and Robert Cornell
Memorial Foundation / VAGA,
N.Y. & JASPAR, Tokyo, 2013 E0782

藤田嗣治(レオナール・フジタ) 《アンナ・ド・ノアイユの肖像 》 1926年
油彩、カンヴァス 167.1×108.4cm
© Foundation Foujita / ADAGP, Paris &
JASPAR, Tokyo, 2013 E0782

担当学芸員からのメッセージ

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』は、ひとりの少女が架空の世界を冒険する物語です。さまざまな人物や動物たちに遭遇したアリスは、彼らの奇妙で理不尽な言葉や振るまいに正面から向き合い、驚きや怒りを交えながら生き生きとした会話を繰り広げます。アリスの冒険は、子供たちが自分の目で世界を眺め、自分自身の知恵と言葉によって世界をつかもうとする姿に重なります。

    美術館という空間もまた、「不思議の国」に似ていると言えるかもしれません。そこに並ぶ絵画や彫刻などの作品は、常に親しく語りかけてくるわけではなく、時には奇妙で不可解な姿をしていることもあります。けれども、もし私たちがアリスのような好奇心と想像力をもって作品と対峙するならば、彼らはさまざまな言葉で語り出し、私たちを心躍る冒険に導いてくれるのではないでしょうか。

    私たちは美術館でさまざまな言葉に出会います。音声ガイドや作品解説のキャプション、展覧会カタログ、ギャラリートークに加え、近年ではインターネットやデジタル・デバイスを利用した情報発信も次々に取り入れられています。本展では文学作品からの引用や物語のパロディなど、通常の作品解説とは異なる言葉を作品に添えましたが、それは上記のような美術館の情報発信の取り組みと相反するものではないと考えます。いずれの方法においても、美術館が目指しているのは「情報を手がかりとして鑑賞者それぞれが作品と向き合う環境をつくること」だからです。

    「絵の真ん前に立っている人が絵を見ずキャプションを読んでいる」のは、美術館で見かける残念な光景のひとつです。キャプションに書かれた説明と作品を照合して立ち去ってしまうのは、なんと勿体ないことでしょう。美術館の提供する文字情報は、作品や作家を理解するためのひとつの手がかりに過ぎません。ひとりひとりが自分の目によって作品の持つ膨大な視覚情報に触れ、感覚や想像力、思考を働かせて目の前のイメージにアクセスし、見る喜びを味わうこと。本展で取りあげる多種多様な言葉や、いつもの四角いキャプションのその先に、そんな鑑賞体験が生まれることを願っています。

  • ■担当学芸員によるギャラリートーク

    1月11日(土)、2月15日( 土)、3月21日(金・祝)、
    4月12日(土)、5月18日(日)、6月14日(土)
    14:00-15:00
    各企画の担当学芸員が展覧会の解説を行ないます。
    予約不要/エントランスホール集合

  • ■ガイドツアー

    毎日14:00-15:00(ギャラリートーク開催日を除く)
    ガイドスタッフがコレクション展示と企画展をご案内します。
    予約不要/エントランスホール集合

  • ■音声ガイド

    当館収蔵品と展覧会の解説をお聞きいただけます。
    1台 500円

  • ■ミュージアム・コンサート

    ~石が奏でる癒しの調べ~ 
    「小松玲子 サヌカイト & マリンバコンサート」
    ゲスト: 松岡淳(ピアノ)
    2014年3月15日(土) 開場17:45 開演18:00
    一般 2,800円、友の会会員 2,300円

  • ■にわのわ アート&クラフトフェア・チバ

    5月31日(土)、6月1日(日) 10:00 -16:00
    会場:庭園内(中学生以上300円)
    千葉を愛する作家たちによるクラフト作品などの屋外マーケット。
    臨時駐車場からシャトルバスを運行します。
    事前にアクセス情報をご確認ください。
    主催:「にわのわ」実行委員会 http://niwanowa.info/

一般
900円
学生・65歳以上
700円
小中学生・高校生
500円

[20名以上の団体(下記料金は1名分)]

一般
800円
学生・65歳以上
600円
小中学生・高校生
400円

[障がい者手帳をお持ちの方(+付き添い1名まで同料金)]

一般
700円
学生・65歳以上
500円
小中学生・高校生
300円
  • ※学生と65歳以上の割引適用には学生証や保険証などの身分証明書が必要です。
  • ※美術教育サポートプログラムもご活用ください。(1クラス 3,500円)

過去の展覧会一覧

今まで開催された展覧会の一覧をご覧いただけます。
過去の展覧会一覧