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開催中の展覧会

サイ・トゥオンブリーの写真-変奏のリリシズム-

《室内》 1980年
カラードライプリント、厚紙 43.1x27.9cm 個人蔵

会期
2016年4月23日(土)-8月28日(日)
開館時間
午前9時30分-午後5時
(入館は午後4時30分まで)
休館日
月曜(ただし7月18日は開館)、7月19日(火)
主催
DIC株式会社
特別協力
ニコラ・デル・ロッショ財団、ニコラ・デル・ロッショ・アーカイブ、サイ・トゥオンブリー財団
後援
千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会

サイ・トゥオンブリー(1928-2011、米国ヴァージニア州生まれ)は、ロスコやポロックら抽象表現主義と呼ばれる巨匠たちの次世代にあたり、子どもの落書きを思わせる独特の画風で20世紀美術史にその名を刻んだ画家です。ボストン美術学院、ニューヨークのアート・ステューデンツ・リーグで絵を学び、学生時代からロバート・マザウェルらに画才を認められていました。1960年代以降はニューヨークの主要画廊やヨーロッパの美術館で個展や大回顧展が華々しく催されましたが、写真作品が発表されたのは1990年代に入ってからのことです。

トゥオンブリーが写真制作を始めたきっかけは23歳の時に参加したブラック・マウンテン・カレッジの授業でした。このとき彼はピンホールカメラに熱中し、その後も絵画を中心とした創作活動のかたわら、おもにポラロイドで撮影が続けられました。17世紀の宮殿、大理石のテーブルに置かれたキャベツや朽ちてゆく花、制作途中の絵や画材が散るアトリエ、穏やかな海の眺め――いずれも作家にとっての日常風景ですが、写真の中の像は色と形が混ざり合い、実態が曖昧になることで、チューリップがローマ彫刻へ、静物が風景へと軽やかに姿を変え、私たちの視覚をより拡がりのある地平へ解放します。

本展はイタリアのニコラ・デル・ロッショ財団、ニコラ・デル・ロッショ・アーカイブの全面協力により、トゥオンブリーが1951年から2011年まで60年間にわたって撮影した写真作品のなかから100点を紹介する国内待望の展覧会です。併せて、絵画3点、彫刻4点、ドローイング4点、版画18点を展示し、異なるメディアを往還したトゥオンブリーの作品に通底する眼差しを、写真を介して取り結びます。

《キャベツ》 1998年
カラードライプリント、厚紙
43.1x27.9cm 個人蔵

《スペルロンガⅣ》 2010年
カラードライプリント、厚紙
43.1x27.9cm 個人蔵

《ミラマーレ、海辺》 2005年
カラードライプリント、厚紙
43.1x27.9cm 個人蔵

《チューリップ》 1985年
カラードライプリント、厚紙
43.1x27.9cm 個人蔵

《未完成の絵》 2006年
カラードライプリント、厚紙
43.1x27.9cm 個人蔵

《静物》 1951年
カラードライプリント、厚紙
43.1x27.9cm 個人蔵

写真を中心に絵画・彫刻・ドローイングも展示。トゥオンブリー芸術の全体を見通せる国内初の展覧会

トゥオンブリーの写真が初めて発表されたのは、1993年、ニューヨークのマシュー・マークス画廊での個展です。日本では過去にグループ展などで部分的に紹介されたことがあるのみで、本展が国内初の本格的なトゥオンブリー写真展になります。同時に展示される絵画・彫刻・ドローイングと合わせてトゥオンブリーの仕事の全体像を見通すことができ、特に彫刻の本邦公開は四半世紀ぶりとなる大変貴重な機会です。

《無題》 1968年
家庭用塗料、クレヨン、カンヴァス 200x259cm
DIC川村記念美術館蔵

《マグダでの10日の待機》 1963年
鉛筆、クレヨン、油彩、カンヴァス 100x104.1cm
国立国際美術館蔵

《無題》 1989年
塗料、ブロンズ 39x25x10cm
サイ・トゥオンブリー財団蔵

《理想的結婚の風景》 1986年
アクリル絵具、鉛筆、紙 54x73cm
サイ・トゥオンブリー財団蔵

アメリカ現代美術? < ヨーロッパの古典的美意識

トゥオンブリーはアメリカ現代美術を代表する存在ですが、実際のところ、作品の多くはイタリアで制作されています。幼少期からローマに強い憧れを抱いていたトゥオンブリーは30歳で結婚を機に移住します。妻が裕福な貴族であったため、トゥオンブリーは城のような邸宅で古典絵画や大理石彫刻に囲まれて優雅に暮らしました。神話や歴史に関心を寄せていた彼は2000年前のローマ皇帝の逸話を史実と信じ、つねに古い時代に思いを馳せていたようです。写真に収められた日常が、現実離れしたロマンティックな景色に見えるのは、こうした作家の感性の表れでしょう。晩年はルーブルの天井画を手がけるなど、その創作はローマで逝去するまで続けられました。

《彫刻部分》 2000年
カラードライプリント、厚紙 43.1x27.9cm
個人蔵

画家のレンズが記憶した世界の手ざわり

作品にみられる薄いヴェールをかけたような独特の感触は、焦点が合いにくいポラロイドカメラの特性と、撮った写真をざらついた紙に複写するプロセスによって生み出されました。トゥオンブリーは全体像を客観的に記録することよりも、あたかも対象に触れてその質感を愛おしむように、自身が造形的な関心を抱いた部分をクローズアップすることを選んでいます。像がぼんやりして何が映っているのか判別できないものさえありますが、いずれも夢の記憶をたどるような親密でもどかしい視覚体験を促すものです。自らを「ロマンティックな象徴主義者」と称したトゥオンブリーは、現実を主観のヴェール越しに写すため、あえて作品に盲目性を取り込んだと考えられます。

《ケルティック・ボート》 1994年
カラードライプリント、厚紙43.1x27.9cm
個人蔵

All Photographs by the artist:
©Nicola Del Roscio Foundation, Courtesy Nicola Del Roscio Archives

All Paintings, sculpture, drawing by the artist:
©Cy Twombly Foundation

講演会「サイ・トゥオンブリーの写真」 本イベントは終了しました

清水穣(写真評論家、同志社大学教授)
5月28日(土)13:30-15:00
整理券要予約(空席がある場合は当日配布あり)
※定員に達したため受付終了
13:00館内受付で整理券配布|定員50名|入館料のみ

しみず みのる

しみず みのる
1963年東京生まれ。写真評論家、同志社大学教授。
1995年『不可視性としての写真-ジェームズ・ウェリング』(ワコウ・ワークス・オブ・アート)で第1回重森弘淹写真評論賞受賞。主な著書に『白と黒で』『写真と日々』『日々是写真』『プルラモン(単数にして複数の存在』(現代思潮新社)など。BT美術手帖、Art Itといった媒体や写真集、美術館カタログに執筆ほか、キヤノン写真新世紀などの審査員も務める。

|整理券予約方法|

Eメール:ticket@kawamura-museum.com
電話:043-498-2672

5月25日(水)までに ①参加者全員の氏名 ②代表者の連絡先(電話番号) ③当日の交通手段(送迎バス/車)をお知らせください。
※メールの場合、5日間以上を経過しても美術館から返信がない場合は届いていない可能性がありますので、電話でご確認ください。

ゲストによるギャラリートーク
田中義久(グラフィックデザイナー/Nerhol)+ホンマタカシ(写真家)
7月23日(土)13:30-15:00
予約不要|13:30エントランスホール集合|定員60名|入館料のみ

本展のカタログ、宣伝物などの制作を担当した田中義久氏は写真に関係したグラフィックデザインを多く手がけると同時に、アーティストデュオNerholとしての活動も注目されています。田中氏と親交のあるホンマタカシ氏はファインアートとコマーシャルの第一線で活躍し、現代日本を代表する写真家です。それぞれの領域で写真に携わるお二人に、展覧会場でトゥオンブリーの写真についてお話しいただきます。

たなか よしひさ

たなか よしひさ
1980年生まれ。武蔵野美術大学卒業。美術館をはじめ、コマーシャルギャラリー等のV.I計画や、アーティストの作品集の装丁、デザインを手がける。飯田竜太(彫刻家)とのアーティストデュオ「Nerhol」としても活動中。

ほんま たかし

ほんま たかし
1962年東京生まれ。2011年から2012年にかけて、個展「ニュー・ドキュメンタリー」を日本国内三ヵ所の美術館で開催。著書に『たのしい写真 よい子のための写真教室』(平凡社)がある。2016年イギリスの出版社「MACK」より、カメラオブスキュラシリーズの作品集『THE NARCISSISTIC CITY』を刊行。

担当学芸員によるギャラリートーク
前田希世子(DIC川村記念美術館)
4月23日(土)、6月25日(土)、7月30日(土)、8月28日(日) 各日14:00-15:00
予約不要|13:30エントランスホール集合|定員60名|入館料のみ

ガイドスタッフによる定時ツアー
講演会・ギャラリートークを除く毎日 14:00-15:00
予約不要|14:00エントランスホール集合|定員60名|入館料のみ

「サイ・トゥオンブリーの写真-変奏のリリシズム-」作品リスト(PDF: 295KB)

※絵画作品《What Wing Can Be Held?》(いわき市立美術館)は7/3(日)までの展示です。

コンサート
Photo: Wataru Nishida

「音楽で巡るサイ・トゥオンブリーの世界
―イタリア音楽からピンチャーまで―」 本公演は終了しました

演奏=鈴木理恵子(バイオリン)、若林顕(ピアノ)
6月18日(土)17:45開場、18:00開演

チケット発売日=友の会4/13(水)、一般4/23(土)
要予約|全席自由|一般4,500円 友の会4,000円
※当日入館料込み

幼な児の落書きを思わせる独自の画風で
20世紀アメリカ美術史に名を刻んだトゥオンブリー。
音楽的とも評されるその作品の多くは、
結婚後に移住したイタリアで制作されました。
イタリアの古典的名曲から、画家と同時代に活躍し
交流もあったアメリカの作曲家ジョン・ケージ、
ドイツ現代音楽の若手マティアス・ピンチャーまで、
日本のクラシック界を牽引する鈴木理恵子と若林顕による演奏で
トゥオンブリーをとりまく音楽の世界にご案内します。

[演奏予定曲目]
ビバルディ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ F. ⅩⅢ-37
スカルラッテイ:ソナタ L23 E-dur、L224 E-dur
パガニーニ:24の奇想曲 より
ケージ:ノクターン
ピンチャー:習作3
ブゾーニ:コラール
レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ
ほか

|チケット購入方法|

1) 電話またはEメールにてご予約を承ります。
DIC川村記念美術館コンサート係
Tel.043-498-2672(火曜~日曜9:30-17:00)
ticket@kawamura-museum.com

2) 予約確定後、以下の方法でご入金ください。
[一般]
三菱東京UFJ銀行日本橋支店
普通預金0162543
口座名義:DIC株式会社〈ディーアイシー(カ〉
[友の会]
美術館受付で現金払い、もしくは郵便振込取扱票にてお振り込み

3) ご入金順に番号を印字したチケットを公演の3週間前より随時発送します。
※ご入金後のキャンセルは承れません
※全席自由。当日はチケット番号順に会場へご案内します

カタログ

『サイ・トゥオンブリーの写真 ―変奏のリリシズム―』

執筆・編集=前田希世子
翻訳=前田希世子、ロバート・リード
写真提供=ニコラ・デル・ロッショ・アーカイブ
デザイン=田中義久
発行=DIC川村記念美術館
発売=torch press
印刷・製本=株式会社八紘美術

表紙布張り/A4変形(23x27cm)/
192ページ/出品作全点カラー図版入り
一般価格=4,104円(税込)
※一般書店での取扱いも予定しております

◆ミュージアムショップ店頭特別価格=2,800円(税込)◆
本展会期中、当館ミュージアムショップに直接お越しいただいたお客様には特別価格にて販売します。会期終了後および通販の場合は一般価格になります。

オリジナルグッズ

会期中、ミュージアムショップではTシャツ、ギフトカード、クリアファイル、絵はがき、ブレンドコーヒーといった本展のオリジナルグッズを展開しております。

イタリア郷土料理めぐり

生涯の多くの時間をイタリアで過ごしたトゥオンブリーにちなんで、庭園のレストラン「ベルヴェデーレ」では トゥオンブリーにゆかりのあるドロミーティ、ローマ、ガエータ、ウンブリアの各地の郷土料理を月替わりコースとしてご用意します。

4/23~5/31 南チロル地方のパスタと牛肉のシチュー[税別2,000円] 終了しました

イタリア北東部、南チロル地方の山地ドロミーティは登山やウィンタースポーツの拠点となるリゾート地で、1956 年にはこの町を中心に冬季オリンピックが行われました。当地にはトゥオンブリーの妻の実家フランケッティ家の邸宅があり、トゥオンブリーは何度となくこの地を訪れて制作しています。

・ ズッパ・ディ・オルツォ
|春野菜と大麦のスープ
・ スペッツレ
|柔らく練った強力粉を湯に落として茹でる手打ちパスタ
・ グーラッシュ
|牛肉のシチュー
・ ライ麦パン
|シェフがお店で焼いています
・ リンツァートルテ
|アプリコットジャムを挟んだスパイス入りのタルト
・ 食後の飲み物
|コーヒー/紅茶/ピーチティー

レストラン特別コース



6/1~6/30 港町ガエータの前菜と夏野菜のラザニア[税別2,000円] 終了しました

ローマとナポリの中間に位置するガエータは、ティレニア海に面する港町です。1985年、56歳のトゥオンブリーは港を一望できる丘の上の家を購入し、制作の拠点を当地に移します。旅行好きで若い頃から様々な土地を訪れていたトゥオンブリーですが、晩年はこの地で多く時間を過ごしました。

・ 魚介類の前菜盛り合わせ
・ 夏野菜とモッツァレラチーズのラザニア(ナス、トマト、モッツァレラチーズ入り)
・ 自家製パン
・ レモンのケーキとレモンのソルベ
・ 食後の飲み物 (コーヒー/紅茶/ピーチティー)

レストラン特別コース



7/1~7/31 ウンブリアの定番グリーンピースのリゾットとお肉の前菜[税別2,000円]

中世の町並みを残すバッサーノ・イン・テヴェリーナは、ローマの北90kmに位置し、ウンブリアの山々やテヴェレ渓谷を見渡す田舎町です。1975年、46歳のトゥオンブリーは、この地に最初のカントリーハウス兼アトリエを構え、以来毎夏を過ごして制作に没頭しました。

・ ウンブリア風 前菜盛り合わせ(レバーペースト・サラミ・テリーヌ・生ハム)
・ グリーンピースとトレビスのリゾット
・ 自家製パン
・ パンペパート バニラアイス添え(ナッツを使った焼き菓子)
・ 食後の飲み物 (コーヒー/紅茶/ピーチティー)

レストラン特別コース



日本画展示室奥にある茶席では、金沢の老舗、村上製菓所がトゥオンブリーの作品《ライト・フラワーⅤ》と《チューリップ》をイメージして創作したオリジナル和菓子をご用意しております。

「トゥオンブリーの写真」展 限定メニュー[税込 各700円]

レストラン特別コース

一般
1,200円
学生・65歳以上
1,000円
小中学生・高校生
600円

[20名以上の団体(下記料金は1名分)]

一般
1,000円
学生・65歳以上
800円
小中学生・高校生
500円

団体のお客様へ

[障がい者手帳をお持ちの方(+付き添い1名まで同料金)]

一般
900円
学生・65歳以上
700円
小中学生・高校生
400円

バリアフリー情報

  • ※コレクション展示もご覧いただけます。
  • ※展覧会のチケットで庭園もご利用いただけます。
  • ※5月5日(木)はこどもの日につき高校生以下入館無料です。
  • ※5月18日(水)は国際博物館の日につき入館無料です。
  • ※学生と65歳以上の割引適用には学生証や保険証などの身分証明書が必要です。
  • 美術教育サポートプログラムもご活用ください。(1クラス 3,500円)

今後の展覧会

レオナール・フジタとモデルたち
2016年9月17日(土)-2017年1月15日(日)

過去の展覧会一覧

今まで開催された展覧会の一覧をご覧いただけます。
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