美術館

HOME > 美術館 > 展覧会 > 開催中の展覧会

開催中の展覧会

ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画

ブリジット・ライリー 《ここから》

《ここから》 1994年
油彩、リネン 156.2 x 227.3 cm 個人蔵
© Bridget Riley 2018, all rights reserved.
Courtesy David Zwirner, New York/ London.

会期
2018年4月14日(土)-8月26日(日)
開館時間
午前9時30分-午後5時
(入館は午後4時30分まで)
休館日
月曜(ただし4月30日、7月16日は開館)、5月1日(火)、7月17日(火)
主催
DIC株式会社
後援
千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会
企画協力
ブリジット・ライリー・スタジオ、デイヴィッド・ツヴィルナー

ブリジット・ライリー(1931-)は、幾何学的パターンによって画面に動きをもたらす抽象絵画で知られるイギリスの芸術家です。ロンドンのゴールドスミス・カレッジとロイヤル・カレッジ・オブ・アートに学んだライリーは、大学卒業後に教員や商業美術の仕事につきながら制作活動を続けました。初期作品はジョルジュ・スーラに影響を受けた風景画でしたが、ルネサンス以降の巨匠や印象派の絵画、点描技法を研究し、単純化・抽象化のプロセスを学ぶことで自身の創作を深めてゆきました。
1960年代に入ると、白と黒のみを用いた完全に抽象的な作品を発表します。これがニューヨーク近代美術館の学芸員の目に留まり、歴史的な展覧会『レスポンシヴ・アイ(応答する眼)』(1965年)で紹介されるや「オプ・アート」の旗手として一躍注目を集めます。1967年に代表作となる波形のストライプパターンに色彩を導入した作品群を制作し、画面に大きなうねりや揺らぎを感じさせる独自の画風で、美術界における画家としての地位を確かなものとしました。以降、「色」と「形」の相互作用を駆使して、人々の眼に強く訴える作品を次々に展開し、現在も多くの人をその作品で魅了し続けています。
本展は1960年代の代表的な黒と白の作品、1970年代を中心としたストライプ作品、1990年代の曲線をもちいた作品、そして近年のウォール・ペインティングを含む約30点を紹介し、あらためてライリー作品の魅力に迫る、わが国で38年ぶりとなる展覧会です。

《賛歌》

《賛歌》 1973年
アクリル、カンヴァス 289.5 x 287.3 cm
東京国立近代美術館
© Bridget Riley 2018, all rights reserved.
Courtesy David Zwirner, New York/ London.

《アレスト I》

《アレスト I》 1965年
乳剤、カンヴァス 178 x 174.5 cm
北海道立近代美術館
© Bridget Riley 2018, all rights reserved.
Courtesy David Zwirner, New York/ London.

1990年代から世界的に再評価が高まっているライリーの日本で38年ぶりの展覧会。本邦初公開の代表作を含む31点をご覧いただける貴重な機会です。

静止しているはずの絵がゆらぐ?「オプ・アート」

《正方形の動き》

《正方形の動き》 1961年
テンペラ、板 123.2 x 121.3 cm
アーツ・カウンシル、ロンドン
© Bridget Riley 2018, all rights reserved. Courtesy Karsten Schubert, London.

ライリーの絵をじっと見つめると、乗り物酔いに似た感覚に陥るかもしれません。繰り返す幾何学パターンと色の組み合わせを脳が処理する際、図像が動いているように知覚して平衡感覚を失うのです。こうした効果をもたらす絵画「オプ・アート」は1960年代に隆盛を極めた絵画様式で、色彩理論と心理学、知覚生理学をもとに考案されました。先駆者といわれるヴィクトル・ヴァザルリ(1906-97年)とならび、ライリーはオプ・アートの代表的な画家として知られています。

新印象派よりも印象的に。スーラの先へ進化した絵画

《朝の歌》

《朝の歌》 1975年
アクリル、カンヴァス 211 x 272 cm
DIC川村記念美術館
© Bridget Riley 2018, all rights reserved. Courtesy David Zwirner, New York/ London.

若き日のライリーが独自の絵画を模索するなかで新印象主義の画家ジョルジュ・スーラの研究を行ったことは、その後の道のりを照らす大切なプロセスとなりました。スーラが編み出した点描技法は人の眼の生理機能を利用した画期的なものでした。ライリーは模写を通じてその表現領域を抽象に発展させ、自然から受けるゆらめくような印象と同等の視覚的効果を自身の絵画で実現すべく探求し始めました。特に1975年以降の作品では、色と光の相互作用が重要な役割を果たし、「鑑賞者が見たときにはじめて光が生まれる色の状況」を提示することに成功しています。

展覧会会期中のみ出現する壁画

《ラジャスタン》

《ラジャスタン》 2012年
鉛筆、アクリル、壁
228.6 x 426.7 cm シュトゥットガルト州立美術館 友の会
© Bridget Riley 2018, all rights reserved. Courtesy David Zwirner, New York/ London.

本展出品作のうち、天地228.6㎝ x 左右426.7㎝と、ひときわ大きな作品《ラジャスタン》は、展覧会が始まる直前に完成し、終了とともに姿を消します。本作は、イギリスとオーストラリアから来日するライリーの助手たちが展示室の壁に鉛筆とアクリル絵の具で直接描き、完成させる壁画作品です。ライリーは1960年代からアシスタントを使って制作をしています。方眼紙に色鉛筆で描いたり、色紙を切り貼りしたり、組み合わせのバリエーションを試す習作を繰り返し、その結果できあがった構図をもとにアシスタントがカンヴァスや壁に描くのです。

ライリーの活躍は絵画の革新にとどまらず、社会にさまざまな影響を与えています。

アメリカの著作権制度に一石を投じる

ニューヨーク近代美術館で「オプ・アート」が紹介されると、瞬く間にライリーの作品がファッションやグラフィックデザインに転用され、ニューヨーク中のショーウィンドウを飾りました。ライリーは作品が無制限に商業利用される状況に愕然としますが、当時のアメリカは著作権を保護する国際条約を批准しておらず、打つ手がありませんでした。しかし、この一件が芸術家たちを奮起させ、制度の改正を促したと言われています。

同時代の芸術家をサポート

今年で設立50周年を迎える芸術家主導の団体「SPACE」は、1968年にライリーと友人たちが共同で立ち上げた組織です。ファインアートを志す芸術家たちに低価格でスタジオ物件を貸し出し、技術向上のプログラムや作品発表の場を提供するなど、いまも活発に運営が続いています。

巨匠たちの展覧会をキュレーション

1981年、ライリーはロンドン、ナショナル・ギャラリーの評議員に任命され、1989年に同館の企画展をキュレーションしました。その際、ティッツイアーノ、ヴェロネーゼ、エル・グレコ、ルーベンス、プッサン、セザンヌの人物を含む大作を選出しています。これらの作家とライリーの作品には、対角の構図と複雑な色彩の統合に共通点を見出せます。さらに後年、クレー展(2002年 ヘイワード・ギャラリー)、モンドリアン展(2006年 テート)の企画・執筆にも参加して良質な展覧会の実現に寄与しました。

受賞歴にみる評価

ライリーは1968年にヴェネツィア・ビエンナーレ絵画部門国際賞をイギリス人として、また女性として初めて獲得しています。1990年代にはオックスフォード大学とケンブリッジ大学から相次いで名誉教授の称号を与えられ、1998年にはイギリス王室からコンパニオンズ・オブ・オナー勲章を、2015年には大英博物館からも勲章が授与されています。加えて、海外からは2003年の高松宮殿下記念世界文化賞(日本)、2012年のジーゲン・ルーベンス賞(ドイツ)とシッケンズ芸術賞(オランダ)に選ばれています。

■講演会①

加藤有希子(表象論、埼玉大学准教授)
「ライリーとスーラ ――21世紀を考えるヒント」

4月21日(土)13:30-15:00
要予約 3/30(金)受付開始|定員50名|入館料のみ

かとう ゆきこ

かとう ゆきこ
1976年横浜生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。慶應義塾大学文学部修士課程修了。米国デューク大学で博士号取得。2012年より現職。主な著作に『新印象派のプラグマティズム』(三元社、2012年)、『カラーセラピーと高度消費社会の信仰』(サンガ、2015年)、「キュビスムと色彩――もう一つの物語」(前田富士男監修『色彩からみる近代美術』所収、三元社、2013年)などがある。

■講演会②

林道郎(美術史・美術批評、上智大学教授)
「知覚と自由:ブリジット・ライリーについて」

7月21日(土)13:30-15:00
要予約 6/22(金)受付開始|定員50名|入館料のみ

|講演会予約申し込み方法|

予約受付開始日の10:00から、Eメールにて先着順にご予約を承ります。
予定枚数に達した時点で締め切らせていただきますので予めご了承ください。

宛先: ticket@kawamura-museum.com(DIC川村記念美術館 広報)
件名: 4/21加藤先生講演会予約希望 または 7/21林先生講演会予約希望 ※メール1通につき1件
本文: 以下をご記入ください。

1)氏名(ふりがな)※同伴者1名まで同時申し込み可。連名でご記入ください。
2)電話番号
3)交通手段[お選び下さい:お車/美術館送迎バス]

■担当学芸員によるギャラリートーク

4月14日(土)、5月26日(土)、6月9日(土)、7月7日(土)、8月11日(土・祝)14:00-15:00
予約不要|14:00エントランスホール集合|入館料のみ

■ガイドスタッフによる定時ツアー

上記ギャラリートークの開催日を除く毎日14:00-15:00
予約不要|14:00エントランスホール集合|入館料のみ
※毎月第三土曜日は参加型ギャラリートーク「mite!」実施

首藤康之&中村恩恵in「ゆらぎ」
5月12日(土)17:45開場、18:00開演(18:30終演予定)
要予約|定員70名
料金=一般5,000円、友の会4,500円(当日入館料込み、公演前のレストラン軽食つき)

世界的に活躍するバレエダンサーの首藤康之と中村恩恵が、「ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画」会場を舞台にパフォーマンスを行います。二人のデュエットが展示空間に魔法をかける特別な時間を、70名という限られた人数で共有する贅沢なプログラムです。

しゅとう やすゆき
撮影:阿部 稔哉

しゅとう やすゆき
15 歳で東京バレエ団に入団、19 歳で「眠れる森の美女」の王子で主役デビュー。数々の古典作品から、モーリス・ベジャール、イリ・キリアン、マシュー・ボーンなど、世界的現代振付家の作品に数多く主演。2004年に退団後は、ジョー・カラルコ、シディ・ラルビ・シェルカウイ、串田和美、白井晃、長塚圭史など、国内外の振付家、演出家の作品に出演するほか、自らプロデュースするシリーズ『DEDICATED』を上演。近年は中村恩恵との創作活動も積極的に行うほか、TVドラマ『99.9 刑事専門弁護士 シーズン2』やコクーン歌舞伎「四谷怪談」に出演するなど、表現の場を拡げている。芸術選奨文部科学大臣賞など受賞多数。
http://www.sayatei.com

なかむら めぐみ
撮影:大河内禎

なかむら めぐみ
ローザンヌ国際バレエコンクールにてプロフェッショナル賞を受賞後、モンテカルロバレエ団を経て、イリ・キリアン率いるネザーランド・ダンス・シアターに所属し活躍。2007年に日本へ活動の拠点を移した後も、ダンサーと振付家の活動を両立し、新国立劇場バレエ団、Kバレエカンパニー、エルヴェ・モロー(パリ・オペラ座バレエ団)など、多くのバレエ団、ダンサーに作品を提供。首藤康之との創作活動も積極的に行っており、「Shakespeare THE SONNETS」(新国立劇場)など多くの作品を上演。また、キリアン作品のコーチも務め、パリオペラ座をはじめ世界各地のバレエ団や学校の指導にあたる。芸術選奨文部科学大臣賞など受賞多数。
http://www.sayatei.com

|ダンス予約申し込み方法|

3月30日(金)10:00より、Eメールにて先着順にご予約を承ります。
予定枚数に達した時点で締め切らせていただきますので予めご了承ください。
※定員に達したため受付終了

宛先: ticket@kawamura-museum.com(DIC川村記念美術館 広報)
件名: 5/12ダンス予約希望
本文: 以下をご記入ください。

1)氏名(ふりがな)※同伴者1名まで同時申し込み可。連名でご記入ください。
2)電話番号
3)郵便番号と住所 ※チケット送付時に必要です。
4)交通手段[お選び下さい:お車/美術館送迎バス]
5)軽食のご希望[お選び下さい:オードブル/スイーツ]

『ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画』

発売日:5月中旬(予定)

価格:未定

※一般書店での取扱いも予定しております

会期中、庭園のレストラン「ベルヴェデーレ」では、ブリジット・ライリーの絵画をイメージしたランチコースを一日20食限定でご用意いたします。
ご予約も承りますので、ぜひご賞味ください。

ライリー展特別ランチコース[税別2,300円]

・ 前菜
サーモンのマリネと季節野菜のサラダ、ヴィネグレット・ドレッシング
・ 手打ちパスタ
野菜とスピルリナ色素のカラフル・タリアテッレ クリームソース和え、
トリュフの香りのプロシュート・コット(加熱した生ハム)を添えて
・ 自家製パン
長時間発酵で焼いたしっとりもっちりパン
・ デザート
ティラミス、季節の果物のソルベ
・ 飲み物
コーヒーまたは紅茶

レストラン特別コース

一般
1,300円
学生・65歳以上
1,100円
小中学生・高校生
600円

[20名以上の団体(下記料金は1名分)]

一般
1,100円
学生・65歳以上
900円
小中学生・高校生
500円

団体のお客様へ

[障がい者手帳をお持ちの方(+付き添い1名まで同料金)]

一般
1,000円
学生・65歳以上
800円
小中学生・高校生
400円

バリアフリー情報

  • ※コレクション展示もご覧いただけます。
  • ※本展のチケットで庭園もご利用いただけます。
  • ※5月5日(土)はこどもの日につき高校生以下入館無料です。
  • ※学生と65歳以上の割引適用には学生証や保険証などの身分証明書が必要です。
  • 美術教育サポートプログラムもご活用ください。(1クラス 3,500円)

今後の展覧会

コレクション展示
2018年8月31日(金)-10月5日(金)

DIC川村記念美術館×平出隆 終りなき対話(仮称)
2018年10月6日(土)-2019年1月14日(月・祝)

過去の展覧会一覧

今まで開催された展覧会の一覧をご覧いただけます。
過去の展覧会一覧

  • 美術館