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開催中の展覧会

レオナール・フジタとモデルたち

《アンナ・ド・ノアイユの肖像》 1926年
DIC川村記念美術館
©Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2016 E2161

会期
2016年9月17日(土)-2017年1月15日(日)
開館時間
午前9時30分-午後5時
(入館は午後4時30分まで)
休館日
月曜(ただし9/19、10/10、1/9は開館)、9/20(火)、10/11(火)、12/25(日)-1/2(月)、1/10(火)
主催
DIC株式会社
特別協力
ミュゼ・メゾン=アトリエ・フジタ、エソンヌ県議会
企画協力
株式会社キュレイターズ
後援
在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本 千葉県 千葉県教育委員会 佐倉市 佐倉市教育委員会
THIS IS MECENAT 2016

日本からフランスに渡り、「乳白色の下地」と呼ばれる独自の画面によって、両大戦間のパリで一躍時代の寵児となったレオナール・フジタ (藤田嗣治 1886-1968年)は、ヨーロッパ近代の美術の歴史において最も成功した日本人芸術家といえるでしょう。

フジタは多様な主題・ジャンルでその才能を発揮してきましたが、彼の画業の中心を占めるのが人物を描いた絵画であることに疑問の余地はありません。他の芸術家の場合と同じように、フジタは職業モデルを雇ってポーズの研究を行い、社交界の名士や裕福なブルジョワから注文を受けて肖像画を制作したほか、時には家族や親しい友人を画面に登場させることもありました。描かれた 「モデルたち」を、そのプロフィールや制作の経緯、関連する出来事とともに振りかえるとき、そこにはフジタを取り巻く人的環境と、人物という主題を通して取り組んだ造形的問題というふたつの背景が浮かび上がります。

本展は、初期から晩年までの約90点の作品を、描かれたモデルに関連する約150点の資料を交えて紹介することによって、フジタの思考とモデルに注ぐまなざしを再検討するものです。またフランス、エソンヌ県の特別協力により、フジタがモデル研究の集大成として群像表現に挑んだ4点の壁画を展示いたします。

第1部:画家フジタ誕生[1910年代]

書簡 フジタからとみ宛て 1914年
鴇田家資料(千葉県市原市)

1913年にフランスに渡ったフジタは、ルーヴル美術館を訪れ、デッサンの教室に通うなど画家となるための修練に励みます。こうした日々を、フジタは日本に残してきた最初の妻・鴇田とみへの手紙に綴りました。書簡には、自分の写真やルーヴル美術館の絵葉書が同封され、洋裁の教師だったとみのためにパリのモード雑誌も送られました。渡仏直後の画家の足跡を伝える貴重な資料です。

モンパルナスの一角にアトリエを構えたフジタは、スーティン、モディリアーニといった芸術家たちと交流を深め、画家としての第1歩を踏み出します。
古代、中世のプリミティヴな形態を研究したフジタは、モディリアーニとその妻ジャンヌ・エビュテルヌや、2番目の妻フェルナンド・バレーなど、身近な人々を単純化した素朴な形態に描き出しました。

《フェルナンドとオウム》1917年 水彩、紙
36.0x22.0cm 個人蔵(フランス)
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2016  G0590

第2部:パリ、成功の時代[1920年代]

「乳白色の下地」と呼ばれる独自のスタイルを生み出したフジタは、パリ画壇の注目を集め、おかっぱ頭に丸眼鏡の独特の風貌によって広く一般に知られるスターとなりました。昨年公開された映画「FOUJITA」の前半で描かれた「狂乱の時代」、フジタの画面には「モンパルナスのキキ」と3番目の妻・ユキが裸婦のモデルとしてしばしば登場します。そして売れっ子となったフジタのもとには、肖像画の注文が殺到しました。《アンナ・ド・ノアイユの肖像》もそのひとつです。やがてフジタは大画面の群像表現に挑みます。それは西洋美術の歴史の中で常に最高位に置かれた「歴史画/物語画」への挑戦でした。エソンヌ県が所蔵する4点の壁画《ライオンのいる構図》《犬のいる構図》《争闘 I》《争闘 II》は、長らく所在が不明となっていましたが、1992年にパリ郊外の倉庫で発見され、日仏共同の大規模な修復を経て蘇った大作です。現在ではフランスの「歴史的建造物(Monument historique)」に指定されており、これは日本でいう国宝に相当します。

《ライオンのいる構図》1928年 油彩、カンヴァス300.0x300.0cm
ミュゼ・メゾン=アトリエ・フジタ、エソンヌ県議会
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2016  G0590

第3部:世界をめぐる旅[1930年代〜]

アメリカから始まった大恐慌によって、社会の様相が変化しはじめます。フジタはユキと別れ、4番目の妻となるマドレーヌ・ルクーを伴って中南米へと旅立ちました。ブラジル、ボリビア、メキシコ。強い太陽の光のもとで、民族衣装をまとった人々や土着の風俗、芸術に触れたフジタの画面は、鮮やかで濃密な色彩で覆われます。フジタはフランスに戻らず日本に帰国して制作を続け、中南米で得た手ごたえをもとに、日本国内や中国を旅行しながら、新しいスタイルを模索します。しかしパートナー兼モデルであったマドレーヌは1936年に急死し、世界が再び戦争の時代へと進む中で、フジタの画家としての生活もまた暗い影を帯びていきました。

《自画像》1936年 油彩、カンヴァス127.7x191.9cm
公益財団法人平野政吉美術財団
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2016  G0590

《眠れる女》1931年 油彩、カンヴァス74.4x125.0cm
公益財団法人平野政吉美術財団
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2016  G0590

第4部:追憶と祈り[フランス帰国後/1950年代〜]

戦後、戦争画をめぐる批判を受けたフジタは日本を離れる決意を固め、1950年にフランスに戻ります。マドレーヌの死の直後に再婚した君代夫人とともに1955年にフランス国籍を取得、1959年にはカトリックの洗礼を受けてレオナール・フジタと改名しました。かつて一世を風靡したフジタは再びフランスの美術界に復帰し、サロン・デ・ザンデパンダン展やペトリデス画廊のほか、毎年開催される「時代の証人」展を主な発表の場として、同時代を生きる人々や子供たちを描き続けました。

《ジャン・ロスタンの肖像》1955年 油彩、カンヴァス100.0x81.0cm
カルナヴァレ博物館
© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2016  G0590

関連資料の展示

本展にはエソンヌ県、公益財団法人平野政吉美術財団、東京藝術大学大学美術館ならびに下記のご所蔵者様より貴重な資料を多数ご出品いただきます。

[鴇田家資料]

フジタの最初の妻であった鴇田とみの実家、千葉県市原市の鴇田家の蔵から発見された資料の一部が本展で公開されます。フジタからとみに宛てた書簡には、絵葉書、写真、押し花などが同封され、フランスのモード雑誌やオペラのプログラムにはフジタ自身のコメントが書き込まれています。またふたりの結納式に関連する目録、家族書などの貴重な記録も含まれます。
※とみ宛の書簡が刊行されます。会期中は当館ミュージアムショップでも販売いたします。
林洋子監修「藤田嗣治 妻とみへの手紙」全2巻、人文書院、2016年

葉書アルバム(折帳)
鴇田家資料(千葉県市原市)

[フランク・シャーマン旧蔵コレクション]

GHQの民政官フランク・シャーマンは占領下の日本でフジタと親しく交流した人物です。シャーマンがフジタから譲り受けた作品や日用品、フジタほか日本の芸術家に関連する写真や記事などの膨大な資料は河村泳静氏に譲渡されました。このシャーマン旧蔵コレクションは、北海道伊達市教育委員会に寄託され、NPO法人噴火湾アートビレッジが保存・管理しています。本展にはフジタ愛用の眼鏡など12件が出品されます。
※シャーマンがフジタから譲り受けた原板を使用した銅版画が本展会期中に販売されます。
お問い合わせ先:KAP河村アートプロジェクト

フジタの愛用の眼鏡とケース
フランク・シャーマン旧蔵コレクション(個人蔵、伊達市教育委員会寄託、保存管理:NPO法人噴火湾アートビレッジ)

講演会

10月15日(土)13:30-15:00
原田久美子 (公益財団法人平野政吉美術財団 学芸員)
「藤田嗣治と秋田~マドレーヌ鎮魂の美術館をめぐって~」本イベントは終了しました

11月26日(土)13:30-15:00
佐藤幸宏 (美術史家、本展監修者)
「フジタと裸婦―乳白色のヌードから群像表現へ」

両日とも予約不要|定員50名|レクチャールームにて開催(13:00開場)|入館料のみ

担当学芸員によるギャラリートーク

9月17日(土)、11月12日(土)、12月10日(土)

予約不要|14:00エントランスホール集合|定員60名|入館料のみ

ガイドスタッフによる定時ツアー

講演会・ギャラリートーク開催日を除く毎日

予約不要|14:00エントランスホール集合|定員60名|入館料のみ

「休み時間」

案内人:泉イネ(美術家/絵描き)、神村恵(振付家/ダンサー)、眞島竜男(アーティスト)

要予約|定員15名|参加費3,000円(二回分、入館料込み)

※「休みA」は必ずご参加ください。「休みB」は自由参加とします。

身体が休む。意識が休む。空間が休む。絵が休む。言葉が休む。美術館が休む。世の中が休む。自分を休む。
美術館で休みを過ごしたい方、募集します。
参加者全員で意見を出し合い、休み方を考え、休みます。

休みA [灯りの消えた美術館で]

11月21日(月:休館日)12:00-16:00

休館日。館内の灯りは消えている。自然光だけの、薄暗い静かな空間。作品も休んでいる。床に寝そべり、転がることができる。気ままに歩ける。しゃべったり歌ったりもできる。こんな状況で休んでみたい方は、ご参加ください。

休みB [いつもの美術館で]

12月10日(土)13:00-15:00

開館日。館内の灯りはついている。いつものように鑑賞者がいる。学芸員による展示の解説もある。その横で床に寝そべることができる。気ままに歩ける。静かにおしゃべりできる。こんな状況で休んでみたい方は、ご参加ください。

|ワークショップ予約方法|

受付期間:9月21日(水)~10月14日(金)
Eメール(ticket@kawamura-museum.com)または電話(043-498-2672)で下記の内容をお知らせください。

① 参加者全員の氏名・年齢
② 代表者の氏名・電話番号・メールアドレス
③ 参加希望日(AB両日/Aのみ)
④ 当日の交通手段(送迎バス/車)

※ Eメール送信後5日間以上を経過しても美術館から返信がない場合は届いていない可能性が
     ありますので、電話でご確認ください。
※ 抽選のうえ、10月21日(金)以降に参加の可否を応募者全員にお知らせします。

案内人プロフィール

コンサート

泉イネ(いずみ いね)

美術家/絵描き

空間、装飾への興味から描く。主な個展「空間の恋文」(CAPSULE)、「冬至の前/冬至/冬至の後と分けられた私はtaimatzの空間です」(taimatz)、「ある庭師 - 多分のひととき」(号:紺泉、原美術館)。ダンサー・美術批評家との「And Zone」(上野の森美術館ギャラリー)、本好きな女性6名をモデルに綴る「未完本姉妹」(2008~)、病をきっかけに作家が休むことを問う「休み時間」(2015~)など他者との継続的な制作も多い。8月、HAGIWARA PROJECTS と泉イネのお盆休み(予定)

神村恵(かみむら めぐみ)

振付家/ダンサー

04年よりソロ作品を発表し始め、06年、神村恵カンパニーとしても活動を開始。
これまで、国内外の様々な場所でパフォーマンスを行う。トヨタコレオグラフィーアワード2010ファイナリスト。主な活動に、12年9月「14の夕べ」(東京国立近代美術館)、14年4月「腹悶」(STスポット)、16年3月「知らせ」(津田道子との共作)など。物質としての体、感覚する主体としての体、何かを指し示す体、が交差する場としてダンスを立ち上げる方法論を探っている。

眞島竜男(まじま たつお)

アーティスト

1970年東京都生まれ。映像、パフォーマンス、レクチャーなど、多様なメディアを用いた作品を発表。最近の主な展覧会に、「無題(Live Die Repeat)」(TARO NASU)、「レオナール・フジタ×眞島竜男」(鳥取県立博物館)など。最近の主なレクチャーに、「河原温ダイアグラム(粘土)」(豊田市美術館)、「ラレー街11番地のFoujita/藤田」(豊田市美術館)など。YouTubeで「今日の踊り」を毎日更新中。

『レオナール・フジタとモデルたち』

企画・構成:横山由紀子(DIC川村記念美術館)
水野昌美(株式会社キュレイターズ)
ユリス・エック=コキール(株式会社キュレイターズ)

編集:中村水絵(HeHe)

執筆:アン・ル・ディベルデル(ミュゼ・メゾン=アトリエ・フジタ館長)
シルヴィ・ビュイッソン
佐藤幸宏(美術史家)
横山由紀子
原田久美子(秋田県立美術館/公益財団法人平野政吉美術財団)
澤田佳三(新潟県立万代島美術館)
佐々木佳苗(秋田県立美術館/公益財団法人平野政吉美術財団)
水野昌美

翻訳:小川隆久(仏文和訳)
ユリス・エック=コキール(和文仏訳)

デザイン:林琢真(林琢真デザイン事務所)
鈴木晴奈(林琢真デザイン事務所)

写真撮影:木奥恵三

印刷:株式会社サンエムカラー

発行:株式会社キュレイターズ

価格:2,592円

販売:ミュージアムショップ

オリジナルグッズ

会期中、ミュージアムショップでは絵はがき、紅茶、飴、めがね拭きなど、本展のオリジナルグッズを展開しております。

日本画展示室奥にある茶席では、藤田嗣治の作品《アンナ・ド・ノアイユの肖像》をイメージして創作したオリジナル和菓子をご用意しております。

「レオナール・フジタとモデルたち」展 限定メニュー[税込 700円]

アンナの薔薇

日本橋・山本山の抹茶「明徳昔」と上生菓子「アンナの薔薇」のセット

ふたつのフジタ展 相互割引

府中市美術館の展覧会「生誕130年記念 藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」 (10/1-12/11)と
本展それぞれのチケット半券を互いの館でご提示いただくと、団体割引料金が適用されます。
詳細はこちらからご覧いただけます。

れきはく相互割引

国立歴史民俗博物館の企画展示「身体をめぐる商品史」 (10/18-12/18)と
本展それぞれのチケット半券を互いの館でご提示いただくと、団体割引料金が適用されます。

一般
1,300円
学生・65歳以上
1,100円
小中学生・高校生
600円

[20名以上の団体(下記料金は1名分)]

一般
1,100円
学生・65歳以上
900円
小中学生・高校生
500円

団体のお客様へ

[障がい者手帳をお持ちの方(+付き添い1名まで同料金)]

一般
1,000円
学生・65歳以上
800円
小中学生・高校生
400円

バリアフリー情報

  • ※コレクション展示もご覧いただけます。
  • ※展覧会のチケットで庭園もご利用いただけます。
  • ※学生と65歳以上の割引適用には学生証や保険証などの身分証明書が必要です。
  • 美術教育サポートプログラムもご活用ください。(1クラス 3,500円)

今後の展覧会

ヴォルス -写真、絵画、エッチング- (仮称)
2017年4月1日(土)-7月2日(日)

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