静かに狂う眼差し
―現代美術覚書
DIC川村記念美術館×林道郎
2017年7月8日(土) - 8月27日(日)
- 時間:
- 9:30-17:00(入館は16:30まで)
- 休館日:
- 月曜(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)
- 主催:
- DIC株式会社
- 後援:
- 千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会
入館料
- 一般 1,000円
- 学生・65歳以上 800円
- 小中学生・高校生 600円
団体(20名以上):
- 一般 900円
- 学生・65歳以上 700円
- 小中学生・高校生 500円
障害者手帳をお持ちの方
(付き添い1名まで同料金):
- 一般 800円
- 学生・65歳以上 600円
- 小中学生・高校生 400円
※会期中に何度でも入館できるリピーターチケットもございます[ 一般 2,000円 / 学生・65歳以上 1,600円 ]
※各種割引適用には学生証や保険証などの身分証明書が必要です
概要
DIC川村記念美術館の収蔵作品を新たな視点でご紹介する「コレクションViewpoint」。今回は、コレクションの中心をなす現代絵画約90点を、美術史・美術批評の分野で活躍する林道郎の手引きでお楽しみいただきます。
ポロックやラインハート、ルイスやステラなどの、絵画の本質を追求するモダニズムにより導きだされた作品群は、戦後アメリカ美術におけるひとつの到達点とみなされてきました。そのため、飽和状態に達した絵画は完結したメディアとして急落し、60年代には芸術の様式は立体作品など「絵画」ではないものへと多様化していきました。しかし、「絵画」は決して消滅することはなく、現在ではかつてないほどの勢いで私達の前に現れ出ています。このような「死なない絵画」について林道郎は思索を繰り返し、独自の言葉を構築してきました。本展では、絵画がもつ「人間の感覚や想像力や思考のモデルとしての可能性」について、4つのキーワードを基軸に探ります。
林道郎の眼と思考によって、絵画に託された問題が広く深い射程をもつことを知るきっかけになれば幸いです。
林道郎からのコメント
「20世紀は美術の転換点だった。ルネサンス以来の規模と深さの。DIC川村記念美術館の特異なコレクションは、その転換を知るためのたぐいまれな鉱脈だ。そこに4つの坑道を掘ってみる。
1)画家のまなざしが結晶化する密室空間
2)最小単位への還元と環境への折り返し
3)日常の事物の鈍重で繊細な存在性
4)諸感覚の擦過の舞台としての絵画
『蔵出し』の作品を多くまじえた『交差配列』により、この4つの坑道に光を通し、ひとつながりのネットワークを出現させる。この明るい『迷路』には、複数の時空が編みこまれ、幾通りもの 隘路(あいろ)や杣道(そまみち)が隠されている。迷うことの快楽へようこそ。」
はやし みちお(美術史・美術批評、上智大学教授)
1959年函館生まれ。東京大学文学部卒、コロンビア大学大学院美術史学科博士号取得。 2003年 より現職。主な著作に『絵画は二度死ぬ、あるいは死なない』(全7冊、ART TRACE刊)、『死者とともに生きる:ボードリヤール「象徴交換と死」を読み直す』(東京:現代書館) 、Natsuyuki Nakanishi (New York: Fergus McCaffrey Gallery)など多数。
会期中のイベント
講演会
林道郎(美術史・美術批評、上智大学教授)
8月5日(土) 「密室の中の眼差し」
8月12日(土) 「表象の零度――知覚の現象学」
8月19日(土) 「グレイの反美学」
8月26日(土) 「表面としての絵画――ざわめく沈黙」
各日13:30-15:00 203展示室(13:00開場)
予約不要|定員80名|入館料のみ
ギャラリートーク
7月8日(土) 林道郎(美術史・美術批評、上智大学教授)
7月15日(土) ガイドスタッフによる対話型トーク「mite!」
7月22日(土) 前田希世子(本展担当学芸員)
7月29日(土) アートテラー・とに~
8月19日(土) ガイドスタッフによる対話型トーク「mite!」
上記ギャラリートークの開催日を除く毎日 ガイドスタッフによる定時ツアー
各日14:00-15:00
予約不要|定員60名|14:00エントランスホール集合|入館料のみ