ヴォルス――路上から宇宙へ
2017年4月1日(土) - 7月2日(日)
- 時間:
- 9:30-17:00(入館は16:30まで)
- 休館日:
- 月曜
- 主催:
- DIC株式会社
- 後援:
- 千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会
入館料
- 一般 1,300円
- 学生・65歳以上 1,100円
- 小中学生・高校生 600円
団体(20名以上):
- 一般 1,100円
- 学生・65歳以上 900円
- 小中学生・高校生 500円
障害者手帳をお持ちの方
(付き添い1名まで同料金):
- 一般 1,000円
- 学生・65歳以上 800円
- 小中学生・高校生 400円
※各種割引適用には学生証や保険証などの身分証明書が必要です
概要
ヴォルス(1913-1951)は、音楽と詩に親しみ、独学で絵を描くようになった稀有な芸術家です。 第一次大戦後のドイツに育ち、フランスに移り住み、1930年代にまず写真家として認められました。まぶたを閉じた人物、調理前の生々しい食材などにカメラを向け、強い凝視力の写真作品を残しています。
10代から水彩画、ドローイングを制作していたヴォルスは、ドイツとフランスの戦争が始まると収容所を転々とせざるをえず、そこで描くことに没頭しました。目を閉じているうちにイメージをつかんだといわれる、蜘蛛の糸のような描線と澄んだ色彩は、ヴォルス独自の魅力を放っています。
さらに油彩画を始め、慣例にとらわれない描法を開いたのは戦後のことでした。ジャン=ポール・サルトル、ジャン・ポーランら文学者や詩人たちに認められ、挿絵の依頼を受けて彼らの著書に銅版画を寄せたのもつかのま、ヴォルスはわずか38歳で早すぎる死を迎えています。
貧窮のうちに没したヴォルスは、死の直後から「アンフォルメル」動向の先駆として注目され、評価を受けます。日本でも1950年代にアンフォルメルの作家として紹介され、1964年に東京・南画廊で初めてのヴォルスの個展が開かれています。その際、瀧口修造らが文章を寄せたカタログと画集が出版され、ヴォルスの作品が多くの人の心をつかみました。
近年は展覧の機会が少ないヴォルスですが、DIC川村記念美術館では彼の油彩、水彩、銅版画にわたる充実したコレクションを所蔵しています。本展はこれらを中心に日本における受容を反映しながら、路上の石や虫を見ながら遠く宇宙までも見通した深い作品世界を紹介し、ヴォルスの再評価の契機といたします。
講演会・ギャラリートーク
講演会①
千葉成夫(美術評論家、本展監修者)
「さすらいのなかで―ヴォルスの生涯と作品」
4月15日(土) 13:30-15:00 レクチャールーム13:00開場
予約不要|定員50名|入館料のみ
講演会②
高階秀爾(大原美術館館長)
「アンフォルメルのなかのヴォルス」
5月13日(土) 13:30-15:00 レクチャールーム13:00開場
要予約|定員50名|入館料のみ
スペシャル・ギャラリートーク
平野啓一郎(小説家)
5月27日(土) 14:00-15:00 エントランスホール14:00集合
予約不要|マイク・スピーカー使用|入館料のみ
担当学芸員によるギャラリートーク
4月1日(土)、6月17日(土) 14:00-15:00 エントランスホール14:00集合
予約不要|定員60名|イヤフォン使用|入館料のみ
ガイドスタッフによる定時ツアー
上記講演会・ギャラリートークの開催日を除く毎日14:00-15:00
予約不要|定員60名|14:00エントランスホール集合|入館料のみ
コンサート
「ヴォルスが愛したヴァイオリン―バッハを中心に」
木嶋真優(ピアノ伴奏:坂野伊都子)
6月3日(土) 17:45開場/18:00開演
チケット発売日=友の会3月17日(金)、一般3月22日(水)
要予約|全席自由|一般4,500円、友の会4,000円
※当日入館料込み
幼少期からヴァイオリンを弾いていたヴォルスは、20歳前にはコンサートマスターに推薦されるほどの腕前となっていました。戦争の影響で収容所などを転々とし、心の支えであったヴァイオリンを生活のために手放してからは、バンジョーでバッハの曲を弾いていたと言われています。
漂泊のヴォルスの心を支えた音楽を、注目の若手ヴァイオリニストの演奏でお聞きください。
[演奏予定曲目]
ブラームス: F.A.E.ソナタ 第3楽章”スケルツォ”
バルトーク: ルーマニア民族舞曲
J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番より第5楽章「シャコンヌ」 ほか