芸術家たちの南仏
2023年3月11日(土) - 6月18日(日)
- 時間:
- 9:30-17:00(入館は16:30まで)
- 休館日:
- 月曜
- 主催:
- DIC株式会社
- 企画協力:
- 株式会社キュレイターズ
- 後援:
- 千葉県、千葉県教育委員会、佐倉市、佐倉市教育委員会
入館料
一般 1,800円
学生・65歳以上 1,600円
高校生以下 無料
入館料 | 一般 | 学生 65歳以上 |
高校生以下 | |||
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1,800円 | 1,600円 | 無料 |
※障害者手帳をお持ちの方と付き添い1名 無料
※「学生」は専門学校・予備校の生徒を含みます
※「高校生」は高等専門学校の生徒を含みます
※各種割引適用には学生証や保険証などの身分証明書が必要です
※本チケットでコレクション展示もご覧いただけます
概要
南仏は、かつて芸術家が景勝地や巨匠たちの作品を求めてパリからイタリアへ留学や旅行する際などの中継地とみなされていました。しかし19世紀末以降、ヴァンスやニース、マルセイユをはじめ、多くの芸術家たちがその地を制作の場として選んだのです。
地中海や山々に囲まれた豊かな自然、そしてまばゆい光は芸術家たちを惹きつけ、ときには陶芸などその地に根差す伝統的な技法が創作意欲を刺激することもありました。終焉の地として根を下ろした者たちが、壁画や礼拝堂など集大成ともいえる大仕事を手がけたことも知られています。一方で、戦中には敵性外国人として収容された者たちや、港を目指した他国への亡命者が、作品を生み出した場であったことも忘れてはなりません。
本展では、20世紀において芸術が展開した場としての南仏に注目し、その地で広がりをみせた交流や、表現あるいは技法について、国内の美術館などが所蔵する約30作家の作品と関連資料およそ150点を通してご紹介します。
アンドレ・ドラン《パノラマ(プロヴァンス風景)》
1930年頃 油彩、カンヴァス 80×179 cm
ひろしま美術館
出品作家
ジャン・アルプ、ハンス・ベルメール、ポール・セザンヌ、マルク・シャガール、ソニア・ドローネー、アンドレ・ドラン、ラウル・デュフィ、マックス・エルンスト、フェルナン・レジェ、アンリ・マティス、パブロ・ピカソ、ヴォルス ほか
※会期中に一部展示替えがあります
前期:3月11日(土)-4月30日(日)
後期:5月2日(火)-6月18日(日)
パブロ・ピカソ《女のランプ》1955年
轆轤成形の花瓶 35×19.5 cm
Kanzan gallery
© 2022 - Succession Pablo Picasso - BCF(JAPAN)
見どころ
1.パリから1,000km、南仏への列車旅に思いを馳せるプロローグ
フランスでは19世紀に鉄道網が発達し、ヨーロッパ北部の人々が避寒のため地中海沿岸地域へ旅行するようになりました。会場入り口では、初期映画の生みの親であるリュミエール兄弟が南仏で撮影した『ラ・シオタ駅への列車の到着』(1895年)を上映します。これは、公開当時、人々を驚かせたと言われる作品です。また、第一室に展示される、キスリングの《風景、パリ―ニース間の汽車》(1926年)には豪華列車「ブルー・トレイン(トラン・ブル)」が描かれています。映像作品と油彩作品の列車に誘われ、南仏への旅が始まります。
キスリング《風景、パリーニース間の汽車》1926年
油彩、カンヴァス 80.7×100.2 cm
ポーラ美術館
アンリ・マティス《待つ》1921–22年
油彩、カンヴァス 61×50 cm
愛知県美術館
2.南仏に行かざるを得なかった芸術家たち
第二次世界大戦中の南仏には、「敵性外国人」として収容されたドイツ人の芸術家たちや、フランスのドイツ降伏を受けて他国への亡命をめざし、ビザ発給を待っていたシュルレアリストたちが、否応なく集うことになりました。本展では、そうした状況で生まれた作品を展示することで、南仏としばしば結びつけられる温かなイメージとは異なる面もご紹介します。
ソニア・ドローネー《色彩のリズム》1953年
油彩、カンヴァス 100×220 cm
ふくやま美術館
DR
ジャン・アルプ《地中海群像》1941/1965年
大理石 78.1×93.8×53.6 cm
東京国立近代美術館
© VG BILD-KUNST, Bonn & JASPAR, Tokyo, 2022 G3077
マン・レイ『骰子城の秘密』1929年
16mmフィルム 24分
神戸映画資料館
© MAN RAY 2015 TRUST / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 G3077
3.南仏で育まれたモダン・アートの多様性を俯瞰できる、国内初の展覧会
20世紀フランスにおいて、南仏は制作の場、芸術家間の交流の場、あるいはその地域の職人と芸術家との協働の場として重要性を高めてゆきました。そこで生まれた作品は写実的な風景画にとどまらず、セザンヌに影響を受けた若い芸術家たちが展開したフォーヴィスムやキュビスムなど実験的な油彩画をはじめ、版画、彫刻、陶芸、映画、そして切り紙やタピスリーと多岐にわたります。
また、晩年南仏を拠点とした芸術家たちは礼拝堂装飾や壁画など集大成ともいえるモニュメンタルな仕事も手がけました。本展は、このように多様性に富んだ作品群を俯瞰する貴重な機会となります。
マルク・シャガール《青い夜》1969年
タピスリー 206×270 cm
川島織物文化館
© ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022, Chagall® G3077
ポール・セザンヌ
《マルセイユ湾、レスタック近郊のサンタンリ村を望む》
1877–79年 油彩、カンヴァス 64.5×80.2 cm
フェルナン・レジェ《コンポジション》1952年
陶板レリーフ 44.4×34 cm
公益財団法人大川美術館
アンリ・マティス《ミモザ》1949年
切り紙絵(コラージュ)151.3×93 cm
池田20世紀美術館
会期中のイベント
※詳細は随時更新いたします
講演会 〈要予約〉
鈴木理策(写真家、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授)
「知覚の感光板」について
5月13日(土) 13:30-15:00
定員35名|入館料のみ
学芸員によるギャラリートーク 〈要予約〉
3月18日(土)、4月15日(土) 各日11:30より
館内受付にて当日9:30より随時受付(先着35名)
11:20エントランスホール集合|入館料のみ
キュレイターズ・トーク 〈要予約〉
当館学芸員の中村萌恵が、本展巡回先各館の学芸員とともに会場をご案内します。
5月20日(土) 鈴木一生氏(ふくやま美術館)
6月10日(土) 藤原啓氏(宇都宮美術館)
各日11:30より
館内受付にて当日9:30より随時受付(先着35名)
11:20エントランスホール集合|入館料のみ
ガイドスタッフによる定時ツアー 〈要予約〉
毎日14:00より
館内受付にて当日9:30より随時受付(先着20名)
入館料のみ
カタログ情報

芸術家たちの南仏
A4変形/200ページ
2,970円(税込)
執筆:松井裕美/佐藤幸宏/関直子/中村萌恵/藤原啓/鈴木一生/松岡佳世
デザイン:大溝裕(Glanz)
発行:株式会社キュレイターズ
特別メニュー
館内の茶席では、和菓子作家 坂本紫穗さん監修による本展の特別メニューをご用意しています。季節ごとに替わる2種類のオリジナル和菓子をお楽しみください。
抹茶と和菓子 1,000円(税込)
【提供期間】3月11日(土)-6月18日(日) ※終了しました
【提供期間】5月9日(火)-6月18日(日) ※数量限定
会期中、レストラン ベルヴェデーレでは、本展の特別メニューをご用意しています。
オレンジ香るミモザケーキ 700円(税込)
アンリ・マティスが南仏で制作した切り紙絵《ミモザ》にちなみ、イタリアの伝統菓子「ミモザケーキ」をアレンジしました。
ミモザ割
3月中、ミモザイエローのお召し物でご来館の方は、入館チケットご購入時にご本人様分の代金より200円引きいたします。窓口でスタッフにお申し出ください。